#36 訂正 ページ36
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『んふふっ』
合宿初日早々から頬が緩んで浮かれてしまう出来事が起きた私。
「あんま浮かれてると痛い目見るわよ〜」
と、柚子に話したら釘を刺されたのだが、
『………うそ……』
人の忠告は聞くものだと学びました。
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「みんなくじ引いた?同じ番号の人とペア組んでね〜」
肝試し企画担当の人の声かけで男女のペアが出来ていく。
私の番号は12番。
もちろんシゲとペアになれるかなぁなんて、確率的にそんなに期待はしてなかったし、
大体の女子は流星か淳太先輩とペアになりたがるから、シゲが他の子とペアになっても平気だろうと鷹をくくっていた。
なのに。
シゲの隣で嬉しそうに笑顔を咲かせているのは、
あろうことか、
雅ちゃんだった。
『まじか……』
これはさすがに動揺するし焦る。
「あらら、大変だこと」
『ちょ、人事!』
「いや、人事だわ」
柚子に冷たくあしらわれ、私の気分はさらに落ち込む。
シゲのことが好きで、なおかつ自分の可愛さを分かっててアピールもうまい雅ちゃんが肝試しをシゲと回るなんて考えたら、
そりゃ私の心は穏やかではいられない。
「ま、頑張んな」
『…柚子は誰なの?』
「え?流星だけど」
『え!なんで!』
「付き合ってるからって、企画担当の粋な計らい♡」
ぐぬぬ……と声が出そうになったのをこらえ、
軽快に流星のもとへ向かう柚子の背中を眺めていると、
「Aちゃん、もしかして12番?」
そう、声をかけてきたのは、
またもあろうことか、
濱田先輩だった。
『そう、ですけど…』
「よかった〜っ、全然同じ番号の人見つからんくてさぁ、焦ったわ〜」
ニコッと笑いながら頭を搔く先輩。
そういえばシゲに気を取られて自分のペアの人を探すのを忘れていた。
だけどまさかよりによって濱田先輩だなんて。
浮かれていた昼間とは打って変わって、
私の心に、嵐がやってきました。
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きしぽん(プロフ) - ななのんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!^^ 頑張りますー! (2016年9月26日 0時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 永瀬のあ。さん» コメントありがとうございます!他の作品も見ていただけるなんて!嬉しいです^^ お気遣いありがとうございます頑張ります! (2016年9月26日 0時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - きしぽんさん» なんかしげでもきゅんきゅんするし好きな人のこと考えるだけで胸が苦しくて仕方がない感じがしますけど笑 (2016年9月25日 18時) (レス) id: d377b51452 (このIDを非表示/違反報告)
ななのん(プロフ) - はじめまして!キュンキュンしながら読んでました!こういうストーリー好きです!続きが気になって仕方ないです!頑張って下さい!待ってます! (2016年9月25日 17時) (レス) id: ca276f073a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬のあ。(プロフ) - コメント失礼します。初めてきしぽんさんの小説を見させていただきました。なんかお互いに恋を意識してる辺り、可愛いな、なんて思っちゃいました(笑)この機会に他の小説も拝見させていただきます!!お身体に気をつけて更新してくださいね。長文失礼しました!! (2016年9月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 389b183b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もも | 作成日時:2016年9月24日 23時