#22 ページ22
.
「え、何もなかったん？」
目を丸くする流星。
「あの後戻ってこんかったから、てっきりくっついてよろしくやってんのかと…」
『ちょっと！言い方』
すまんすまん、と眉を下げて笑った。
「でもなんで俺？柚子に話さんでええの？」
『一応LINEでは話したんだけどさ、直接会ったら怒られちゃいそうだし』
「ふーん、そっか」
そう言うと流星は、小さく音を立ててコーヒーをすすった。
『シゲの好きは、友達としての好きだと思うんだよね』
「それは本人に聞いてみな分からんなぁ」
『それが無理だから相談してんじゃん』
ストローを咥えて、オレンジジュースを喉に流し込む。
「まぁ、少なくともシゲはお前のこと大好きやろな」
『っん、ごほっ、』
「おおい、きたねぇ」
お前のせいだろ、と目で睨んでも、流星は面白そうに笑ってる。
『だから、面と向かって言えるのは本気じゃないからでしょ』
「それは世間一般的なチャラい奴な」
『え、』
「シゲはそういう奴ちゃうもん」
だとしたら、じゃあ、
『いや、ないないないないそんなまさか』
「だぁー！もうじれったいわぁこりゃ柚子がイライラすんのも分かるわ」
『え、そうなの？』
「はよくっつけー！って俺が怒鳴られんねん」
『だってさぁ…』
テーブルに突っ伏して、じーっとグラスに残ったオレンジジュースを見つめる。
『あ、ねぇ、流星は？柚子のことどうなの？』
バッと起き上がって、話をそらそうと流星に振ってみた。
花火大会はずっと二人だったし。
なのに、
「柚子？好きやで」
そんな平然と返すもんだから私の方が面食らっちゃって、
『え、え、ほんとに？』
「おん」
『それは、どういう、』
「彼女にしたいなぁ、っていう好き」
『えぇぇぇ！！？』
いや、まさかほんとに好きだなんて。
『告白するの…？』
「まぁ、いずれは」
『ダメだったらどうするの』
「それでも好きにさせる」
『イケメンかよ…』
やっぱそういうこと言えるのは、自分に自信があるイケメンだからこそなんだな。
「そんな不安ならさ、Aも本気で好きにさせたらええやん」
『どうやって』
「今度二人きりになった時、向かい合って5秒シゲの目見てみ」
『は！？無理！』
「無理ちゃう、やれ」
そんな強い眼力で言われたら、
『はい…』
そう返事をせざるを得なかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 894人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きしぽん(プロフ) - ななのんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！^^ 頑張りますー！ (2016年9月26日 0時) (
レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 永瀬のあ。さん» コメントありがとうございます！他の作品も見ていただけるなんて！嬉しいです^^ お気遣いありがとうございます頑張ります！ (2016年9月26日 0時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - きしぽんさん» なんかしげでもきゅんきゅんするし好きな人のこと考えるだけで胸が苦しくて仕方がない感じがしますけど笑 (2016年9月25日 18時) (レス) id: d377b51452 (このIDを非表示/違反報告)
ななのん(プロフ) - はじめまして！キュンキュンしながら読んでました！こういうストーリー好きです！続きが気になって仕方ないです！頑張って下さい！待ってます！ (2016年9月25日 17時) (レス) id: ca276f073a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬のあ。(プロフ) - コメント失礼します。初めてきしぽんさんの小説を見させていただきました。なんかお互いに恋を意識してる辺り、可愛いな、なんて思っちゃいました(笑)この機会に他の小説も拝見させていただきます!!お身体に気をつけて更新してくださいね。長文失礼しました!! (2016年9月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 389b183b69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もも
| 作成日時：2016年9月24日 23時
