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『シゲ、なんで、先戻っててよかったのに、』
シゲの隣に座って、顔を少し覗き込んでみると、うっすらと汗をかいていた。
「お前、なんで一人でいなくなるん」
『えっ、』
私を見るその目は、いつにもまして真剣で、
その低い声に、思わず身がすくんだ。
『だって、雅ちゃんと話してたからお邪魔かなって…』
「だからって、一人でどっか行ったら危ないやろ」
『何それ…私子供じゃないから！』
どうして、こんな時でもムキになってるんだろう。
なんで素直になれないんだろう。
「そういうとこ、ほんま可愛くないな」
『っ、』
知ってるよ。そんなの私が一番知ってる。
ダメだ、泣くな。泣いちゃダメだ。
どうせ私なんか
『そんなこと言われなくたって、！』
「少しはお前も女やって自覚せえよ！！」
両肩を掴まれて、必死そうなその瞳に、私が映る。
こんなに声を荒らげるシゲは見たことなかった。
「お前が気強くて全然素直やないのなんて知っとるよ。
でもこんな時に自分一人で大丈夫やと思わんで。
…さっきは淳太くんがいてくれたからよかったけど、もしなんかあったらどうするん！？」
『…っ、』
鼻の奥がツンとして、気付いたら涙が溢れていた。
でも、シゲが私のこと心配してくれてたって思うと、嬉しかった。
必死で目尻に溜まる涙を指で拭う。
あぁ、メイク頑張ったのに崩れちゃったな。
「ひっどい顔してんなぁ、ったく」
『や、ちょっ、』
するとシゲはぐいっと私の顔を持って、浴衣の裾で頬を拭き始めた。
『ちょっと、汚れるよ…』
「どうでもええわ、そんなん」
大きなその手に触れられた頬が熱を帯びて、
心臓がうるさく鳴っている。
「…ごめんな、俺一緒にいたのにさ、」
『もう、私が悪いのかシゲが悪いのかどっちかにしてよ…っ』
「じゃあどっちも悪い！」
手が離されて視界が開けると、ニヒッと笑ったシゲの笑顔。
「ははっ、目ぇパンダみたいになっとるで！」
『えっ、やだ見ないで！』
カァっと顔が赤くなって手のひらで咄嗟に顔を覆う。
デリカシーないなほんとに…！
「こっちの方がええな」
『、え？』
「…今日のお前、かわええけど、
俺はいつものAが好き」
その瞬間、ドーンと、大きな花火が夜空に咲いた。
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きしぽん(プロフ) - ななのんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！^^ 頑張りますー！ (2016年9月26日 0時) (
レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 永瀬のあ。さん» コメントありがとうございます！他の作品も見ていただけるなんて！嬉しいです^^ お気遣いありがとうございます頑張ります！ (2016年9月26日 0時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - きしぽんさん» なんかしげでもきゅんきゅんするし好きな人のこと考えるだけで胸が苦しくて仕方がない感じがしますけど笑 (2016年9月25日 18時) (レス) id: d377b51452 (このIDを非表示/違反報告)
ななのん(プロフ) - はじめまして！キュンキュンしながら読んでました！こういうストーリー好きです！続きが気になって仕方ないです！頑張って下さい！待ってます！ (2016年9月25日 17時) (レス) id: ca276f073a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬のあ。(プロフ) - コメント失礼します。初めてきしぽんさんの小説を見させていただきました。なんかお互いに恋を意識してる辺り、可愛いな、なんて思っちゃいました(笑)この機会に他の小説も拝見させていただきます!!お身体に気をつけて更新してくださいね。長文失礼しました!! (2016年9月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 389b183b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2016年9月24日 23時
