#17 ページ17
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見てたくなかった。
雅ちゃんの笑顔も、照れたようにはにかむシゲも。
やっぱりああいう女の子らしい子の方がいいよね。
全然素直じゃなくて、可愛げもない私なんかより。
そっか、だから友達止まりなんだ。
『っいった…』
夢中で早足で歩いてたからか、気付いたら靴擦れがひどくなっていた。
痛い。
足も、心も、ズキズキする。
ひとまず近くにあった階段に座って、もしものために持ってきた絆創膏を親指に貼った。
せっかくの花火大会なのに、何やってんだろ。
シゲに選んでもらった浴衣を着て、髪もメイクもいつもより気合い入れて、
少しでも可愛いと思って欲しかった。
でも、そんな努力も無駄。
シゲは私のこと友達としか思ってないし、
雅ちゃんの方が全然可愛いし、
…嬉しそうだったし。
苦しい。
人を好きになるのは。
「Aちゃん？」
ふと、呼ばれた名前。
「どうした？具合悪い？」
そこにいたのは淳太先輩だった。
『…あ、いや、ちょっと足痛くて』
「そうなんや、大丈夫か？」
『大丈夫です、絆創膏貼ったんで』
そう言うと、先輩は私の隣に座った。
「シゲは？一緒やったやろ？」
『あー…置いてきました』
「なんで、喧嘩したんか？」
『…まぁ、そんな感じです』
はは、よく喧嘩しよるなぁ、と先輩は笑った。
違う、本当はただの嫉妬。
自分が惨めに思えて仕方ない。
「じゃあなんでそんなに悲しそうなん」
『っえ、』
じっと私の目を見てそらさない。
この人には、嘘は通用しないのか。
「好きなんやったら、素直に伝えたらええのに」
『…無理です、また同じことになるから』
はぁ、とため息をついて、頭をくしゃっと掻いた先輩。
「あんなぁ、シゲと濱ちゃんは違うやろ？」
そんなことは、分かってる。
でも、怖いんだ。
『…淳太先輩、知ってたんですよね、私が濱田先輩に振られたこと』
「うん、濱ちゃんに聞いた。でも俺だけやで、あいつが話してくれたの」
だと思った、濱田先輩優しいから。
『私、誰にも言えなかったんです。周りにはやし立てられて、浮かれて、それで振られちゃったから、』
無意識に、渇いた笑いがこみ上げる。
『…同じですよ。友達止まりなんです、私はいつも』
顔を俯けた瞬間、頭に乗せられた先輩の手のひらは、とても温かかった。
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きしぽん(プロフ) - ななのんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！^^ 頑張りますー！ (2016年9月26日 0時) (
レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 永瀬のあ。さん» コメントありがとうございます！他の作品も見ていただけるなんて！嬉しいです^^ お気遣いありがとうございます頑張ります！ (2016年9月26日 0時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - きしぽんさん» なんかしげでもきゅんきゅんするし好きな人のこと考えるだけで胸が苦しくて仕方がない感じがしますけど笑 (2016年9月25日 18時) (レス) id: d377b51452 (このIDを非表示/違反報告)
ななのん(プロフ) - はじめまして！キュンキュンしながら読んでました！こういうストーリー好きです！続きが気になって仕方ないです！頑張って下さい！待ってます！ (2016年9月25日 17時) (レス) id: ca276f073a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬のあ。(プロフ) - コメント失礼します。初めてきしぽんさんの小説を見させていただきました。なんかお互いに恋を意識してる辺り、可愛いな、なんて思っちゃいました(笑)この機会に他の小説も拝見させていただきます!!お身体に気をつけて更新してくださいね。長文失礼しました!! (2016年9月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 389b183b69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2016年9月24日 23時
