#15 ページ15
.
それから特に会話もないまま、出店で飲み物を買って、場所取りした所へ戻ろうとしていた。
すっごく気まずい。
喧嘩してた時よりずっと。
その時とは、立場が逆みたい。
『…シゲ、怒ってる？』
「…え、怒ってへんよ」
『じゃあなんでずっと黙ってるの』
「…ちょっと、考えてた」
何を？と問うと、私を見て口を結び目をそらした。
「…思ってたより、仲良かったんやなって」
『え？』
それは誰と誰が。
「…お前と濱ちゃん！」
まるで心の声が聞こえていたかのようなタイミングで、ぶっきらぼうに言い放たれた。
「なんで隠してたん」
『別に隠してたわけじゃ、』
「でも知られたくなかったんやろ」
『だって、！』
思わず声を張り上げてしまうと、少しだけ見開かれたシゲの大きな目と、視線が絡み合う。
振られたから
飛び出しそうになった言葉を飲み込んだ。
『…なんでもない』
濱田先輩に振られたことは誰にも知られたくなかった。
すごく仲良くさせてもらってて、周りのみんなもいけるんじゃないかって空気になって、
もちろん私も、そう思ってた一人だった。
でも、告白して、結果はだめだったから。
うぬぼれてた自分がとてつもなく恥ずかしくなって、
自然と気持ちがなくなった振りをした。
しばらくは引きずってたけど、
立ち直れたのは、きっとシゲがいつも笑っててくれたからだ。
なんだ、私
もうとっくにシゲのこと好きになってたんだ。
「今は？」
『え？』
「濱ちゃんのことまだ好きなん？」
真っ直ぐに、その瞳は私を捕らえて離さない。
『…ううん、』
今好きなのは
「好きなヤツおるん？」
シゲだよ、って、素直に言えたら
『……いる』
どんなに楽なんだろう。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 894人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きしぽん(プロフ) - ななのんさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！^^ 頑張りますー！ (2016年9月26日 0時) (
レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 永瀬のあ。さん» コメントありがとうございます！他の作品も見ていただけるなんて！嬉しいです^^ お気遣いありがとうございます頑張ります！ (2016年9月26日 0時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
恋歌(プロフ) - きしぽんさん» なんかしげでもきゅんきゅんするし好きな人のこと考えるだけで胸が苦しくて仕方がない感じがしますけど笑 (2016年9月25日 18時) (レス) id: d377b51452 (このIDを非表示/違反報告)
ななのん(プロフ) - はじめまして！キュンキュンしながら読んでました！こういうストーリー好きです！続きが気になって仕方ないです！頑張って下さい！待ってます！ (2016年9月25日 17時) (レス) id: ca276f073a (このIDを非表示/違反報告)
永瀬のあ。(プロフ) - コメント失礼します。初めてきしぽんさんの小説を見させていただきました。なんかお互いに恋を意識してる辺り、可愛いな、なんて思っちゃいました(笑)この機会に他の小説も拝見させていただきます!!お身体に気をつけて更新してくださいね。長文失礼しました!! (2016年9月25日 0時) (携帯から) (レス) id: 389b183b69 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もも
| 作成日時：2016年9月24日 23時
