another #1 ページ7
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『おかえりなさい』
まさかこの台詞を、彼相手に言える日が来ると思わなかった。
いつも私が言われる立場だったから。
「ただいま」
私たち、夫婦になったんだなぁって、実感が湧いてくる。
あれから私は家を出て、淳太さんと一緒に暮らしてる。
今までも同じ家の中にはいたけれど、
一緒に生活する、って、やっぱり今までとは違うわけで。
『ねぇ、見て！オムライス作ったの』
「前よりは上手になりましたね」
『一言余計…』
不貞腐れる私を見て、彼はふふっ、と笑みをこぼした。
スーツのジャケットを脱いで、ネクタイを緩めた淳太さん。
スーツを着崩してる姿にはまだ慣れなくて、いつもドキッとする。
「ん、なんですか？」
『えっ、いや、ううん？』
バチッと目が合った。
じっと見てたのバレたかな。
ご飯の準備ができて、お皿をダイニングテーブルに並べ、向かい合って席についた。
『どう？美味しい？』
「美味しいです」
オムライスを口に運びながらそう言ってふわりと笑ってくれるから、どうしようもなく嬉しくなる。
実家のシェフが作ってくれてたご飯は豪華だし美味しかったけど、
やっぱり好きな人とご飯食べるのって、
幸せだなぁ、なんて。
「なにニヤけてるんですか」
『へっ？ニヤけてない！』
あ、そうだ、
『ねぇ、いつまで敬語なの？』
結婚してからも、淳太さんは敬語のまま。
でも、なんか昔の関係のままな気がして、ちょっと気になってた。
「…あ、すみません、抜けなくて」
『もうお嬢様と執事じゃないんだし、敬語やめよ？』
「…わかった」
少し恥ずかしそうに笑うと、何か思いついたような顔をした。
「…じゃあ、淳太さんって呼ぶのやめへん？」
『え？』
「俺もAって呼ぶから」
呼び捨てにしろと…？
突然の注文に私の体温が上がる。
『む、むり！呼び捨ては！』
「なんで、」
『じゅ、淳太、くん…は？』
「うん、まぁええよ」
呼び捨てで呼んだことがないわけじゃない、けど。
呼び捨てで呼びあってたのは、その、夜にそういうことをする時だけだったから。
不意に頭によぎって、どっと恥ずかしさが押し寄せた。
「A」
『っはい』
赤面する私を、面白そうに笑う彼は、
やっぱりいじわる。
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きしぽん(プロフ) - 可愛いカミ様さん» ありがとうございます！！励みになります！^^ (2017年8月24日 14時) (
レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様 - 最高ですっ！これからも応援しています。無理せず頑張ってください。 (2017年8月22日 15時) (レス) id: d90d4201fa (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 光葉さん» ありがとうございます！流星くんのはちょっと重ためのお話になってしまったんですが、そう言っていただけてとても嬉しいです！！ (2017年4月27日 1時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
光葉(プロフ) - another story 感動しました。メインストーリーからの成長がわかり、凄く心に響きました (2017年4月26日 20時) (レス) id: 87b8702e28 (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - むーさん» わぁぁぁありがとうございます！( ；∀；) そう言っていただけてすごく嬉しいです！！更新遅めですが楽しんでいただけるように頑張ります！ (2017年4月18日 10時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2016年10月30日 18時
