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another R #3 ページ25

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『すまんなぁ、俺のせいで』




放課後、教室に残って一緒にプリントをやることになった。





「全然大丈夫だよ。一人より二人の方が早いし」


『まぁ俺一人やったら日が暮れるな』


「ふふっ、」




隣で笑う彼女の横顔に、思わず見とれてしまう。




「ん、なに?」


『…いや、』




初めてかもしらんなぁ、いろんな意味で俺に普通に接してくれるのは。



容姿や金持ちだからって理由で好奇の目で見られることなんかしょっちゅうやったし、

それだけで近付いてくる女が面倒で冷たくあしらったりしとったら、



いつの間にか、誰も俺には近寄らなくなった。




別にそれが寂しいとか悲しいとかは思わへんけど。





『…なんか、嬉しいなって』


「何が?」


『俺のこと怖ない?』


「全然?」




ほら早く考えて、なんて言ってペンを進めていく。





『なぁ、これ何?』


「どれ?」


『この花の中から単子葉植物を答えなさい、ってやつ』


「それはー、」





彼女はじっくり考える素振りもなく、





「ユリと、ラン」




パッと答えを言ってのけた。




『へぇーそうなんや』


「これ結構最初に習ったからね?」




ふふっ、とまた笑みをこぼす。




ふーん、とプリントに印刷されたユリとランの写真を眺めていると、単子葉植物はこうで…とか、いろいろ教えてくれた。





『ランって、俺好きやな』


「え!?」


『え?』




急に大きい声を出すから、俺も驚いてお互いに丸くした目と視線が絡み合う。


そして何故か赤くなる彼女の顔。





「流星くん、何言って…!」


『なんか変なこと言うた?』


「え、あ、そっちかぁ…」



あわあわしだした彼女を不思議に思っていると、何かに腑に落ちたのか、ため息をついた。




「花の方ね…」


『おん、綺麗やなって、』


「びっくりした」


『何が?』


「…私のことかと思ったから」





恥ずかしそうに笑って、プリントに目をやった彼女をは下に垂れる髪を耳にかけた。





「私の名前、蘭って言うの」


『え、」





名字は知っていた。さっき先生に呼ばれとったから。


元々人の名前を覚えるのが得意ではないにしろ、


これは恥ずかしい。





『えと、すまん、知らんくて…』


「大丈夫、私が勝手に勘違いしただけ」






その笑顔に、きっともう俺は落ちていたんだと思う。





勘違いしたままでもよかったのに、と思ってしまったのは、




秘密。




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きしぽん(プロフ) - 可愛いカミ様さん» ありがとうございます!!励みになります!^^ (2017年8月24日 14時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様 - 最高ですっ!これからも応援しています。無理せず頑張ってください。 (2017年8月22日 15時) (レス) id: d90d4201fa (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 光葉さん» ありがとうございます!流星くんのはちょっと重ためのお話になってしまったんですが、そう言っていただけてとても嬉しいです!! (2017年4月27日 1時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
光葉(プロフ) - another story 感動しました。メインストーリーからの成長がわかり、凄く心に響きました (2017年4月26日 20時) (レス) id: 87b8702e28 (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - むーさん» わぁぁぁありがとうございます!( ;∀;) そう言っていただけてすごく嬉しいです!!更新遅めですが楽しんでいただけるように頑張ります! (2017年4月18日 10時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2016年10月30日 18時

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