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another #6 ページ12

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『……?』




朝、目が覚めたら、ベッドの上にいた。




あれ、昨日は確かソファにずっと寝っ転がってて、寝室に行った記憶はない。





『あ…、』





そっか、淳太くんが。





今日もまた、起きたら隣にはいなかったけど。





淳太くんが運んでくれたのかと思うと、自然と頬が緩む。




そういえば昔にも、同じようなことがあったなぁ、と思い出しつつ。






体を起こしてリビングに繋がるドアのノブに手をかけようとすると、







「わっ、起きてたんか…おはよ」





タイミングよくドアを開けられ、淳太くんが目の前に現れる。




『おはよう、…昨日ありがとね?』



「え?あ、あぁ、ええよ大丈夫」





何故か少し焦ったような素振りの淳太くん。





『淳太くん、今日も仕事?』


「おん、でも今日は早めに帰るで」


『そっか』





またあの綺麗な女の人との仕事なのかな。



また一緒にランチ行ったりするのかな。




なんて、嫌な考えが止まらない。






「…A?どした?」


『え、ううん、』





ダメだ、重たい女になりたくない。





『…淳太くん、』


「ん?」




彼はこんなにも優しく笑ってくれるのに。





『好き、』




口から溢れるのは、子供みたいな束縛。





「え、?」






ぎゅっと淳太くんに抱きついて、胸に顔を埋めた。





「どうした? 」



『…帰り、私の方が遅かったら、お風呂沸かしといてね?』



「え、おう…」





淳太くんに似合うような、いい奥さんでいたいのに。





『ごめんね、早くしないと遅れちゃうよね』




体を離して、淳太くんの脇をすり抜ける。






「A?具合でも悪い?」




心配そうに、そう聞いてくれるけど、




『ううん、大丈夫だよ』





私は笑顔を貼り付けるしかできなかった。




じゃないと、醜い感情で淳太くんを縛り付けてしまいそうだから。





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きしぽん(プロフ) - 可愛いカミ様さん» ありがとうございます!!励みになります!^^ (2017年8月24日 14時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様 - 最高ですっ!これからも応援しています。無理せず頑張ってください。 (2017年8月22日 15時) (レス) id: d90d4201fa (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 光葉さん» ありがとうございます!流星くんのはちょっと重ためのお話になってしまったんですが、そう言っていただけてとても嬉しいです!! (2017年4月27日 1時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
光葉(プロフ) - another story 感動しました。メインストーリーからの成長がわかり、凄く心に響きました (2017年4月26日 20時) (レス) id: 87b8702e28 (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - むーさん» わぁぁぁありがとうございます!( ;∀;) そう言っていただけてすごく嬉しいです!!更新遅めですが楽しんでいただけるように頑張ります! (2017年4月18日 10時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2016年10月30日 18時

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