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#91 ページ2

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「ねね、Aちゃん」


『なに?』




もうすぐ退勤という時、小瀧くんがイスごとキャスターで移動してきた。






「今日、中間帰ってくるんやろ?」




まったく、小瀧くんの情報網は侮れない。




『今日だけだよ。向こうでの仕事が一段落ついたから、帰ってきてくれるの』



「でも、楽しみやんな?」



『…そりゃ、まぁ』





「うはー!かわいいー!」なんて悶える小瀧くんはスルーして、デスクに散らばった資料をまとめていると、






「あ、この花、なんて名前やっけ」




私の背後からぐっと手を伸ばした小瀧くん。





『ちょっと近、』




デスクの隅に置いてあった小さい花瓶から、一本手に取ってまじまじとその花を見ている。





「ほんま変わった形してるよなぁ。なんやっけ、せんにち、べに?」


『せんにちこうね』


「あ、それやそれや」





あの日から、デスクにも千日紅を飾ってる。


淳太さんが、傍にいてくれる気がして。






「まぁでもよかった。Aちゃん元気そうやし」


『え?』


「ううん、なんでも」




小瀧くんは指で茎をくるくる回していた千日紅を花瓶に戻して、



わざとらしくニヤッと笑うと、





「これから流星と飯なんやけど、来る?」


『残念。私これから彼氏に会うから』


「ははっ、せやな!」





ポンッと私の肩を叩いて、小瀧くんは立ち上がった。




『あっ、お疲れ様』


「ん。中間にもよろしく言っといて」





小瀧くんの背中を見送って、私も鞄に荷物を片付けていると、



ピコン、とメールの着信を知らせる音がなった。






>会社の入口にいます。






その一行だけで、心臓の鼓動が速まって、どうしようもなく頬が緩む。





無意識に早歩きになって、どんどん下がるエレベーターの階数を見つめて、早く1階に着かないかなって、ドキドキして、





早く顔が見たくて、声が聞きたくて、



早く、抱きしめて欲しい。







ロビーの社員口を抜けると、自動ドアの向こうに黒いスーツ姿の人影が見えた。









『________淳太さんっ』









ヒールなのも忘れて、駆け出した。






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きしぽん(プロフ) - 可愛いカミ様さん» ありがとうございます!!励みになります!^^ (2017年8月24日 14時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
可愛いカミ様 - 最高ですっ!これからも応援しています。無理せず頑張ってください。 (2017年8月22日 15時) (レス) id: d90d4201fa (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - 光葉さん» ありがとうございます!流星くんのはちょっと重ためのお話になってしまったんですが、そう言っていただけてとても嬉しいです!! (2017年4月27日 1時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)
光葉(プロフ) - another story 感動しました。メインストーリーからの成長がわかり、凄く心に響きました (2017年4月26日 20時) (レス) id: 87b8702e28 (このIDを非表示/違反報告)
きしぽん(プロフ) - むーさん» わぁぁぁありがとうございます!( ;∀;) そう言っていただけてすごく嬉しいです!!更新遅めですが楽しんでいただけるように頑張ります! (2017年4月18日 10時) (レス) id: a1a531b37a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2016年10月30日 18時

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