貴方が嫌い【WT】 (ページ10)

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8話ページ10

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ついに来てしまった

影浦隊の隊室の前

『絵馬くん。そういえば私のことはどう説明するつもりですか？』

「付き添い」

『まあ確かにそうですよね』

でも普通に考えたら付き添いなんて普通はいらないんだよなぁ

「てめえは一生来んじゃねえ！このクソ犬が！」

「えー、別にいいじゃん」

「とっとと失せろ！」

怒号が廊下に響き、目の前の扉が開いたかと思えば出て来たのは何故か兄だった

ポカンとしている私を兄は見つけたようでへらりとした顔を向けて話しかけてきた

「あれ、Aじゃん。こんなとこで何してんの？」

『…貴方こそ何をしているのですか？貴方の隊室はここではないでしょう』

私がそう言うと「てへっ」とでもいうような顔で言ってきた

「いやあ、二宮さんが影浦隊に届けて欲しい物があるって言ったから届けに来ただけだよ」

そんなことだけではあんな怒声を浴びせられるなんてことないと思うけど

またコイツが粗相をやらかしたと思うとため息しか出ない

『はぁぁ…』

「先輩大丈夫？」

『ええ、大丈夫です』

絵馬くんはやっぱり優しい

「おい犬！お前さっさと帰りやがれ！」

先程と同じ怒声と共に影浦隊から顔を出したのはウニのような頭をした人

すなわち、影浦隊長だ

…わぁすごい

ホントに影浦さんだ

今までは遠目でしか見たことがなかったものの、間近で見ると身長が高く、それでいて四肢が長いように感じる

マンティスの強みはこの四肢の長さも関係してるのかな？

というかそもそもどうやってあんな荒技思いついたのかな？

絵馬くんが勧誘されてる事実を知ってから影浦隊のログやら情報を集めていた私は若干影浦隊オタクになりつつあった

アイツに対して威嚇するような姿勢をとっていた影浦先輩はいきなり私の方に首を回した

「おい、お前」

『は、はい』

突然のことに私は少し動揺してしまう

何か私もしでかしただろうか

「…そんな視線向けんじゃねぇ。むず痒いだろうが」

……？？

「カゲはね、Aが自分に尊敬の眼差し向けるから恥ずかしかったんだよ！」

「うっせぇ」

あぁ、なるほど感情受信体質のせいで私の考えてることが概ねわかってしまったのか

コイツに解説されたのは不覚ではあるが、まぁ1ミリくらいは有り難く思わないこともない

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