貴方が嫌い【WT】 (ページ8)

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6話ページ8

Aside

シトシトと雨が降っている休日の昼前、私は本部の食堂を訪れていた

あまり食堂を利用することはない私だが、今日は朝食を食べ忘れたこともあり、換装を解いた瞬間空腹に襲われたから久々に来てみたのだ

まだ昼前ということもあり、人もまばらで空いていた端のテーブル席に荷物を置く

財布を取りだして券売機に向かうと日替わり定食の看板が目に止まった

…シーフードバター炒飯？

どんな味なんだろ

少し食べてみたいとも思ったけれど、バターで胃もたれしてしまわないか心配になってあんかけ焼きそばのボタンを押す

注文口であんかけ焼きそばを注文し、席に戻るのも面倒なので少し離れて待つことにした

もう少しで出来上がるかな

そう思った時に見覚えのあるうに頭が見え、私は驚いた

何も言わずとも私の存在に気づき、うに頭はこちらに向かってきた

「よぉA。お前が食堂にいるなんざ珍しいじゃねえか」

『影浦先輩こそ。私よりも大分レアキャラじゃないですか』

「レアキャラってなんだよ」

『だって食堂で影浦先輩見たことなんてないですもん』

「そりゃ行かねえからな」

『じゃあ星五レアですね』

「違ぇよ」

そう言った影浦先輩は私の頭にチョップをかました

あんまり痛くないチョップに影浦先輩の優しさを感じた

そしてそう思ったのは影浦先輩に伝わってしまったようで

「…おい、そんなもん刺すんじゃねえ」

『おっと、これはすいません。でも影浦先輩が悪いんですよ？』

「あ"？何がだよ」

『いえ、お気になさらず』

そんな会話をしているといつの間にかあんかけ焼きそばが出来たようで受け取り口に向かった

湯気の立ち上るあんかけ焼きそばののったトレーを持つと再度影浦先輩の元に行った

『影浦先輩、席決めてなかったら御一緒しませんか？』

端の席をとってるんです、と言うと影浦先輩は了承してくれた

学年もポジションも学校も違う私と影浦先輩には一見共通点がないようにも見えるが、実はひとつ大きな共通点がある

それは

「おいA。さっきあのクソ犬がまた突っかかってきやがったんだがどういう教育してんだよ」

『私も聞きたいです。というかアイツのあれは教育のせいではないです。言いきれます』

“犬飼澄晴のことが嫌い”ということだ

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