平凡を望む天才少女【テニプリ】 (ページ10)

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8、嵐の前の静けさページ10

幸村side

昨日本当には驚いた。

柊さんがあんなにすごい人だったなんてね。

しかも顔も整ってるし。

昨日は思わず固まってしまって逃がしてしまったけど今日こそはマネージャーにしてみせる。

そんな事を考えながら教室に入るとほとんどの生徒が集まっていた。

俺は不思議に思い近くにいた人に声をかけた。

幸「こんなに集まってどうしたんだい？」

男「あぁ、幸村か。知ってると思うけど昨日の放課後に最近お前ら男子テニス部がよく声掛けて話題になっていた子がな、すんごい体使いで逃げてたんだよ。一部のヤツらしか見てないんだけどよ。すごい数の部活が昼休みに勧誘に行くらしくてさー…」

なるほど。

たしかにあの体使いとスピードを兼ね備えた人物はどの部活も欲しいだろう。

まぁ、絶対に俺たちが手に入れるけどね。

…ふふっ、そのおかげで俺たちが手に入れやすくなりそうだ。

俺はその事をスマホで柳に伝えてから席に着いた。

Aside

私は今3年B組の前にいる。

昨日はつい本気出しちゃったからなー

何人かに見られたし。

さよなら、私の平凡ライフ…

私は思い切って教室のドアを開けた。

その瞬間、クラスメイトの視線は私に注がれた。

うぅ…

視線が痛い。

私は痛い視線に耐えながらも席に着いた。

本を取り出そうと鞄を探っていると2人の女子がこちらに向かってきた。

え、怖いんだけど。

私何かした？

女1「ねぇ、柊さん。」

『な、何か用？』

女1「陸上部に入らない？」

『へ!?』

女2「いや、うちのバスケ部に…」

女1「何言ってるの！あのスピードを生かせるのは陸上部しかないわ！」

女2「あの体使いはバスケに生かすべきものでしょ！」

そう言って2人の女子はぎゃあぎゃあと言い合いを始めてしまった。

えーと、これは勧誘かな？

私、部活に入るつもりないんだけど…

「キーンコーンカーンコーン」

あ、チャイム鳴った。

女1「しょうがない、また昼休みにね。」

女2「うちも。考えといてくれると嬉しいな。」

朝でこの感じなら昼はどうなるんだろう？

なんか他の部活も来る気がするんだけど…

…よし、逃げよう。

もう運動の方はバレちゃったし、本気出そう。

こんな事もあろうかと弁当とお菓子入れる用のバック持ってきたし。

今日の昼休みはお腹が空きそうだ。

私は弁当袋にお菓子移し替えてから本を読み始めた。