47、勧誘 ページ49
Aside
審「ゲームセット、ウォンバイ柊！6ｰ0！」
跡部との試合は当然、私の完勝だった。
「嘘だろ……」
「あの跡部さんが……」
へっ！
私に喧嘩売ったからだ！
喧嘩売らなけりゃあ6ｰ2ぐらいでプライド傷つけないようにしてやったのにね。
『ほら、人に喧嘩売るからこんなになるんだよ。』
ざまぁみろ！という気持ちを込めて言ったら返ってきた言葉は想像していたものとは全く違う言葉だった。
跡「……貴様、何故こんなにも強い？」
あー、そう来たか。
跡「お前は控えの選手だろう？なのにこの俺様に完勝するほどの実力がある。そんな奴がレギュラーじゃないなんておかしいだろう。」
この俺様とか言っちゃうんだ……
いや、今はそんなことよりなんて言うかだ。
女子だからなんて言ったらただでさえ傷ついているであろう跡部のプライドにトドメを刺しちゃいそうだしなぁ。
うーん…
『…今日はたまたま調子が良かっだけ。』
さすがに苦しいかな？
跡「これほどの実力があるなら調子が悪くても十分やっていけるだろう？」
やっぱりさすがに苦しかった！
跡部は顎に手を当てて何かを考えていると突然何か閃いたようだった。
そして私を指差しながら言った。
跡「柊、お前
……？
氷帝に来い？
つまり転校しろと？
コイツ何言ってんの？
真「跡部！貴様何を言っている！」
跡「いいじゃねぇか。柊は氷帝に来れば試合に出れる。それにお前らは控えが1人減ったぐらいどうってことないだろう。」
真「クッ……」
まぁ私が本当に控えの選手だったらそうだろうね。
でもマネージャーだしなぁ。
跡部頑固そうだし…
私が辺りを見回していると日吉を見つけた。
日吉ならどうにかしてくれるかもしれない！
そう思った私がバカだった。
むしろ日吉は目を輝かせていた。
あぁー、そういえば日吉って私のこと尊敬してくれてたんだよね。
そりゃあ尊敬してる人と同じチームでやりたいよね。
普通に考えたら女だから無理なんだけどね。
きっと今の日吉は興奮して冷静な判断が出来ないのだろう。
はぁ、どうしよ…
ため息をついていたら突如幸村が声をあげた。
幸「跡部！柊が必要な理由、あるよ。」
マジで!?
幸村ナイス！
跡「アーン？理由があるだと？」
幸村は少し間を空けてニコリとして言った。
幸「柊はねマネージャーなんだよ。」
あ、終わった……
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作者名：澪音 | 作成日時：2021年2月21日 18時
