43、火花 ページ45
Aside
さっきはいきなり喧嘩売られてびっくりした。
だって会って1分もせずに喧嘩売ってくるやつなんて普通はいないじゃん。
金持ちってのは常識ってものがないのかな?
多分跡部だけだろうけど。
私は少し周りを見渡した。
…常識はないけどやっぱり校舎はデカい。
柳から聞いたんだけど、跡部が入学してから氷帝の設備がグレードアップしたらい。
常識はなくても金持ちだからこんなに校舎がデカくなるんだろうなぁ。
なんて感心してたら私たちはどうやらテニスコートに着いていたらしい。
多くのテニスコートがあるが今は練習試合が始まるからかどのコートも空いている。
その代わりにひとつのコートに数人の氷帝の選手が並んでいた。
小さい人から大きい人まで、
こんなに個性の強そうな人が集まったチームと練習試合するなんて初めてだから、立海みたいなのが他にもいるってわかって安心した。
?「ねぇねぇ跡部!丸井くんは?」
羊みたいな頭をしている人がテンションを高くして言った。
名前は昨日教えてもらった気もするけど……まぁ気にしない事にした。
跡「丸井と切原は諸事情で遅れてくるそうだ。」
?「えぇぇぇー!?丸井くん遅れてくるのぉー!?残念だC……」
羊頭の人は丸井は遅れることを伝えられると心底残念そうにした。
そんなに丸井に会いたかったのかな?
羊頭の人はテンションを低くして俺の方を向いた。
?「ねぇねぇ、君はなんて言うの?」
そんなにテンション下げなくてもいいのに…
『わた…俺は柊。丸井と切原の代理で来た。』
……あっぶなぁー!
私って言うところだった!
幸い、羊頭の人はその事に気づかなかったようだった。
芥「へぇー、そうなんだね!俺の名前は芥川慈郎!丸井くんの代わりに来たって事は君も強いの?」
この子ちょっと失礼だな。
いきなりテニスの強さを聞くなんて。
まぁ跡部ほどじゃないけど。
私はたっぷりと皮肉を込めて言ってやった。
『まぁ、跡部よりは強いかな。』
芥「マジマジ!じゃあ柊くんってめっちゃ強いんだね!」
『うん、そうだよ。』
ちらっと跡部の方を見ると案の定、プルプルと腕を震わせてる。
跡「お前……後でその鼻、へし折ってやるよ。」
『ハッ!へし折れるなら折ってみな!』
私と跡部は互いに睨み合い、同時に顔を逸らした。
早くも火花が散っている中、立海vs氷帝の練習試合はスタートした。
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作者名:澪音 | 作成日時:2021年2月21日 18時