平凡を望む天才少女【テニプリ】 (ページ43)

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41、男装ページ43

柳生side

結局、Aさんは今日の練習試合に参加することになりました。

幸村くんいわく、王者立海の名にかけて負けることは許されないそうです。

Aさんは『勝ちにこだわるのは相変わらず気に食わないけど、強いやつと試合出来るならいい』と言って了承していました。

それでも補欠の分は足りないので丸井くんと切原くんに急いで来るように言っていましたが、その光景を見ると少し2人に同情してしまいました。

まぁ、悪いのはお2人なんですけどね。

そして今はAさんと仁王くんを待っています。

時刻は集合時間をすぎてしまっています。

仁王くんはともかく、Aさんが遅刻とは珍しいですね。

いつもは一番乗りで来るのですが……

仁「遅れてすまんのぉ。」

おっと、噂をすれば仁王くんの到着です。

おや？

仁王くんが立海のジャージを着ている焦げ茶色のストレートの髪をした男の子を連れていますね。

見た限りでは立海の部員ではないようですが……

幸「すまない。君の名前を聞いてもいいかな？」

『は？』

幸「え？」

仁「クックック……」

仁王くんがお腹を抑えて笑っていますね。

ということはもしかして……

ジャ「その声……Aか？」

『そうに決まってんじゃん。』

「「「「はぁぁぁぁ!?」」」」

やはりそうでしたか。

それにしても美しい容姿ですね。

さすがAさんといったところでしょうか。

幸「な、なんで男装なんてしてるんだい？」

『仁王に、女子に負けたなんて分かったらその人のメンツ丸潰れだって言われたから。流石に都大会の真っ最中にそうなるのは可哀想だなぁーって思ってさ。』

なるほど。

たしかにそれも一理あるかもしれませんが、おおよそ9割は仁王くんが男装させてみたかったという理由でしょう。

今も仁王くんは笑い続けてますし。

ジャ「にしてもすげぇ美少年だなぁ。」

真「ああ。」

『……？なんかよくわかんないけどありがとう。まぁ、てことで私は今日1日男子として過ごすから。よろしく。』

Aさんはそう言うと、早く行こうと言ってバス停に行ってしまいました。

これは、なかなか面白い事になりそうですね……

私は影で密かに微笑んだ。