29、人気者 ページ31
Aside
帽子とマスクを
朝のテニス部員たちよりも質問やらなんやらが凄かった…
丸井と仁王、あとで一回締める。
ほんとなら、昼休みの今に絞めたい所だけど屋上まで行くのは無理そうだ。
何故なら…
クラスメイトは勿論、ほかのクラスの人や後輩であろう人までが私の姿を一目見ようとこの3-Bの教室に集まって来ているからだ。
最初は何なのか分からなかったけど、丸井と仁王に「お前人気者だな。」とか「頑張れよ。」とか言われたら流石に自分目当てで来ている事に気づく。
しかもそんな事言っておいて、あの2人はさっさと屋上に言ってしまったのだ。
クラスメイトに捕まる私を横目に。
いや、別に私は毎日テニス部で集まって食べる訳じゃないからいいんだけどさ。
あのニタニタした顔のうざいこと!!
ほんっとにふざけんな。
マジで1回締める。
まぁそれはもう決定した事だからいいのだ。
それよりも私は、今クラスメイトと食事をしているという事が問題だ。
はっきり言って、名前と顔が全く一致しない。
そして話に一切ついていけない。
「……ねぇ、柊さんもそう思うでしょ？」
『え、あ、うん。』
なんも話聞いてなかった。
「ほらー！柊さんもそう思うって！」
「えー！マジで!?でも____________」
あぁ…
こういう空気苦手だな…
弁当も食べ終わって暇してる時に私は横腹を突っつかれた。
その方を見るとスポーツの出来そうなボーイッシュな子が。
あ、この子前に私をバスケ部に勧誘した子だ。
えーっと…
名前はたしか……
高田さんだ！
高田さんは私に小さな声で言った。
高「柊さんはこういう空気苦手？」
『うん。ちょっとね…』
高「私も苦手なんだ。柊さんとお話出来るって言うから一緒に食べる事にしたのに…」
ははは…
高「ねぇ、柊さん。ちょっと一緒に抜け出さない？」
うーん…
ちょっと話してみよっかな。
『いいよ。』
そう言うと高田さんは顔を明るくした。
そして一緒に食べてる人達に向かって「うち、柊さんとトイレ行ってくるから。」と言って、私の手を取って教室を出た。
--------ｷﾘﾄﾘ線--------
高田 海穂
バスケ部主将
身長が高いボーイッシュガール
実は前々から柊と話したいと思ってた
運動神経は良いけど勉強はちょっと…
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作者名：澪音 | 作成日時：2021年2月21日 18時
