26、手遅れ ページ28
Aside
そんなに凄い事なのだろうか?
まぁ、褒めてくれてるみたいだし一応お礼は言っておいた。
真「うむ。Aは凄いぞ。俺も手合わせしてみたいものだ。」
あぁー
真田ってたしか剣道やってるんだっけ。
『いいよ。今度やろう。』
剣道もたまにやるけど相手いなかったんだよね。
真「本当か!?」
『ん、こっちも相手が欲しかった所だしね。』
真田は嬉しそうで少し頬が緩んでいた。
それよりどうしよう…
私、もう廊下も歩けないかもしれない…
『はぁ…』
私は思わずため息をついた。
仁「なんじゃ、ため息なんかついて。」
『…いや、ただこれからどうしようかなーって思って。』
ジャ「たしかに。あんなに目立ったら対処法でも考えたくなるよな。」
『え、なんでジャッカルが私が目立ってること知ってるの?』
ジャ「俺のクラスのやつらも騒いでたからな。」
切「俺のクラスでもA先輩の噂されてたっスよ!」
oh…
2年生まで広まってんのか…
マジでどうしよう…
私が頭を抱えていると仁王がニヤッと笑った。
仁「もういっその事目立ったらどうじゃ?」
は?
『何それ?どうゆう事?』
仁「もうお前さんがあの“柊A”なのは全校生徒が知ってるからのう。今更隠そうとしても手遅れじゃ。」
たしかに…
仁「だから潔く諦めて、素のお前さんで過ごせばいいと思ったんじゃ。」
『それと「いっその事目立つ」にはなんの関係が?』
仁「だって素のお前さんで過ごしたら嫌でも目立つじゃろ。」
『まぁそりゃあ、そこそこは目立つだろうけど、そんなに目立たないでしょ?』
すると皆は呆気に取られたというような顔になった。
はて?
幸「…Aは本当にそう思っているのかい?」
『あたり前。私は嘘はつかない。』
どうしようもない時はつくけど。
仁「…まぁええ。手始めに明日はちゃんと髪を整えてきんしゃい。あと、眼鏡も外してな。」
面倒くさ…
まぁ、父さんと母さん曰く、私はそこそこは目立つ容姿してるらしいんだけど大丈夫だろう。
うん。
『分かった。』
私がそういった時、皆の顔が微かににやついた気がした。
私はこの後、両親の言葉を信じなくてとてつもなく後悔するのだった……
213人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:澪音 | 作成日時:2021年2月21日 18時