21、テニス部参上 ページ23
Aside
『ゆき、むら…』
仁「俺達もいるぜよ。」
『なん、で…』
丸「それは後でだろい。」
柳生「そうですね。」
幸「まずはなんでこんなことになったのか聞かせてもらおうか。勿論、君たちにね。」
幸村が今までで1番黒い…
「ひ、柊さんがテニス部の邪魔してるから注意してただけよ！」
「そうよ！私たちは幸村くんたちのことを思って…」
幸「俺らがそんなこと頼んだかい？」
「そ、それは…」
幸「頼んでないよね。それに、柊さんのことを邪魔だって言ったかい？柊さんは邪魔なんかじゃない。」
『！邪魔、じゃ、ない…』
私って邪魔じゃないのかな。
幸村はこちらを向いて微笑みながら言った。
幸「うん。柊さんは邪魔じゃないよ。」
嬉しかった。
自分が認められた気がして。
幸「…続けるよ。柊さんはテニス部のためにしっかりと働いてくれてる。与えられた仕事はきちんとこなすし、部活に遅刻した事も欠席した事も今まで１度もない。しかも部員の細かい変化にも気づいて的確なアドバイスもくれる。そんな柊さんが邪魔な訳ないじゃないか。…それとも他に理由があるのかい？」
「ち、違う！」
幸「じゃあなんでカッターを持っているんだい？」
「！これは…」
幸「柊さんを傷つけるためにだろ？分かるよ。」
「ち、違うわ！ただ柊さん地味で幸村くんたちとは不釣り合いだからカッターを使って制服をちょっと可愛くしてあげようかと思って！」
カッターでそんなこと出来るのだろうか…
幸「カッターを使ってそんなことが出来るんだ？出来ないよね。それに柊さんは…」
幸村はそこまで言うと私に向かって歩いて来た。
私、なんかしたっけ？
私の前で立ち止まると突然私の伊達メガネを外して髪を結い始めた。
『幸村!?』
幸「じっとしてて。………よし、出来た。ほら、柊さんは地味でもなんでもないだろ？」
私はその姿を彼女たちに見せられた。
うぅ…
見られた…
「嘘でしょ!?貴方ってまさか“あの”柊A!?」
「何よそれ！」
「知らないの!?才色兼備、才能がありすぎて“鬼才”とまで呼ばれていた天才小学生よ！」
「そんなに凄い人だったの！？」
幸「まぁということで柊さんには注意する事は何一つないんだ。…今回のことは多目に見てあげるからさっさと消えてくれないかい。」
「「「「「「は、はい!!」」」」」」
彼女たちはそう言って屋上から出ていった。
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作者名：澪音 | 作成日時：2021年2月21日 18時
