平凡を望む天才少女【テニプリ】 (ページ34)

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32、般若ページ34

仁王side

さっきAになにかしらの柔道の技をかけられた俺は今、丸井君と部室の中で正座している。

目の前には仁王立ちしているA。

その姿は怒った時の幸村よりも怖い。

まさかこんなに怒られるとはのぅ…

仁「はぁ…」

『ん？仁王どうかした？』

仁「イエ、ナンデモナイデス。」

こんなに圧掛けられたらなんも言えないに決まっとるじゃろ！

『そっか。ならいいや。…で、二人はちゃんと反省してるんだよね？』

丸「も、もちろんだぜ！な、仁王！」

俺は素早く首を縦に振った。

『ふーん。じゃあ良いよ。許す。』

ホッ…

助かったぜよ。

あと1回でも技かけられたら俺は死んどったからのぅ…

『でも、今度同じようなことしたら……わかってるよね？』

そう言って仁王立ちしているAはさながら般若のようだった。

俺と丸井は怖くて首を縦に振る事しか出来なかった。

『ん、じゃあ早く部室出て。ちょっとだけ掃除するから。』

俺らは超特急で部室を出た。

部室の前にはR陣がいた。

は？

丸「なんでいるんだよ！」

切「いやぁ〜…A先輩、今日練習すんげえテンション高かったのに丸井先輩と仁王先輩見た瞬間に顔が真顔になってたんスよ。んで、練習後に先輩らが呼び出されたから気になったんス。だからこっそり見てみたら……」

赤也はそこまで喋ると黙ってしまった。

他のやつもその続きを喋ろうとは思わなかった。

それは何故か。

答えは簡単。

皆、その先の言葉がわかっているからだ。

幸「……まぁ、Aを安易に怒らせてはいけないということが分かったよね。」

俺たちは全員その言葉に深く同意した。

『あれ？なんでみんないんの？』

ちょうど部室からAが出てきた事に全員肝を冷やした。

言い訳を考えていると赤也が先に言った。

切「…A先輩と一緒に帰ろうと思ったンスよ！」

ナイス赤也！

こんな時は赤也も使えるのぅ。

『そうだったんだ。遅くてごめん。じゃあ早く帰ろうか。』

ちょっと待っててと言ってAは自転車置き場に走って行った。

俺はこの日、もう、Aを怒らせまいと思った。

もちろんAは次の日から元の姿で登校してきたのは言うまでもない。