甘えたい少年 ページ34
「だーーっお前らなんでそんなに話さないんだよ!今までのぐだ話ぜっんぶ俺から話しかけてるじゃん!」
「まあまあ十夜。お前のおかげでぐだ話だって始まるんだし、いつも助かってるよ。ありがとう」
十夜が唐突に怒りだした。地団駄をふむ姿を見るとまだ幼い少年なんだと微笑ましく思う。
「十夜さんのお喋りはなんら気にはしませんが、正直うるさいのは苦手ですし、何かと血腥いお話をちょくちょく挟んでしまうことになりますが」
「それはほんっとに怖いからやめて...前もやってたけど後ろに隠れる十夜くんが可愛すぎて悶え死にそうだったから...こんな死に方なら全然ありかも」
「それ、昌さん私の話聞いていませんよね」
昌が十夜を宥めながら頭をポンポンしながらほくほくした表情になっているのを見て、ぎりぎりと鋭い視線で睨む蘭がなんとも愛らしい。智樹がちょこっと口を挟んで、仲良くしなよと言うものの、二人の様子を延々見ていても飽きない自信があるので正直仲良くしなくてもいい。
「んーふたりがばちばちばちばちする意味がよくわかんないけど....俺は怖い話に怯えて昌に子供扱いされるままでいいのか...!?」
「僕は全然いいと思うよ」
「そのギラギラギラギラした左目...俺をおそう気か...!」
「噂の強姦魔集団にはなれないけど頬舐めるくらいはできるよね...このまま十夜くんに殴り殺されてもいいよ...」
「俺は良くない!」
頭をぽんぽんしているうちにどんどん距離を詰め、お互いの鼻先が付くほどまでになった。よくない汗がだらだらだらだら垂れてくる。十夜の怖がる姿に興奮気味な昌は潰れた右眼にまで危ない光を宿す。智樹もこれは流石にやばいと思いながらもそれを楽しみにしていた。
「もしかしたらあの強/姦魔の亡霊がいるかもしれませんね」
蘭が皮肉っぽく言いながら昌の頭上に拳銃を突き立てる。十夜が危ないぞと震えた声で言うと勢いよく昌に抱きついた。
「?私は助けてあげようと」
「でも拳銃はダメだろ!これなんてただのじゃれ合いなんだから」
「これだってただのじゃれ合いですよ」
そう言うと蘭は銃口の向きを変え引き金をひいた。弾は出なかった。良かったと安堵する十夜が抱きしめている昌はじゃれ合いという言葉に落胆した。それにしても蘭の昌へ対する対応が荒っぽすぎる。
「危ないだろ。蘭」
「それもっと早めに言って欲しかったですね」
すると蘭はこちらに向かってきて甘えたような顔をしてくっついてきた。今日も洋館は平和です。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ハンス(プロフ) - 錯乱懋さん» この度は当作品を閲覧いただき、また、激励の言葉をありがとうございます...!!その言葉が創作の糧になります!!これからもよろしくお願いします。 (2017年8月3日 23時) (
レス) id: c8c85e524e (このIDを非表示/違反報告)
錯乱懋(プロフ) - 世界観ものすごく好みです、更新頑張ってください (2017年8月3日 23時) (レス) id: 61413b54f8 (このIDを非表示/違反報告)
ハンス(プロフ) - 瑞絋さん» 暇を持て余した愚作にございます...誤字脱字ないようきちんと推敲いたします。日々精進していけるよう努めて行きたいと思います。これからもどうかよろしくお願い致します!!!! (2017年3月20日 16時) (レス) id: 53232f222d (このIDを非表示/違反報告)
瑞絋(プロフ) - ハンスさん» 一日にこんなに沢山かけるの凄いと思います、沢山書いてると誤字は必ず出てきますし仕方ないですよ！これからも頑張ってください、応援してます！ (2017年3月20日 16時) (レス) id: 6e54a0adb9 (このIDを非表示/違反報告)
ハンス(プロフ) - 瑞絋さん» 参加させていただきました。ハンスト申しますハンスと申します。ご一読、ご指摘いただき誠にありがとうございます。誤字!!大変申し訳ありません。私の確認不足です。修正しておきます。 (2017年3月20日 16時) (レス) id: c8c85e524e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ハンス | 作成日時：2017年3月18日 18時
