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*
髪色が変わっていた北斗くんは
田中さんの言う通り”他の男”の人になっていて
何度経験してもモヤモヤした青春特有のそれみたいな
変化のない自分が惨めに思えるような、そんな感情
先のお仕事のことは話せないと分かってるんだから
触れなければ良いだけなのに
一体何を期待したのか
特等席に座りたがる自分の悪い癖だ
しかもそれをしっかりと顔に出てしまったお陰で
北斗くんを買い物に走らせてしまう始末
「…ほんと、学ばない、」
一人ベンチに座らされ
斜向かいのコンビニへと走る後ろ姿に溜め息が溢れたその時
手に持ったままだったスマホが着信を知らせる
さっきまでの変な緊張が一瞬戻って来る
「もしもし、」
『もしもしAちゃん？家着いた？』
結構飲んだから、って
ただの知り合い程度の私みたいな女にもこんな連絡してくれるんだ
なんて、捻くれた感想しか浮かばないのはきっと
気を張って疲れたからだろう
「あの…あ、
ティッシュ、切らしてるの忘れてて、寄り道してます」
なんで私、嘘吐いた
田中さんも北斗くんの連絡気にしてくれてたのに
思ったより酔ってるのかな
いっそそういうことにしたいかも
『ふは、なんかこの時間に思い出すのもアレだね』
「ね、損ですよね」
『それな。まぁ、じゃあほんと気をつけて帰ってね。
じゃないと北斗が知ったら俺マジでシメられるからさ』
まるで今北斗くんと居るのを知ってるような田中さんの話ぶり
驚いて思わず背筋がピンとなる
それと同時に北斗くんがコンビニから出て来るのが見えてまた焦る
「えっと…じゃあそろそろ切りますね、おやすみなさい」
『あーい、おやすみー』
フードを被ってるからよく見えないけど
私と同じような顔をしてる気がする
『樹？』
「うん。無事帰った？って」
『…そう、』
「お水、もらってもいい？」
『あぁ、はい』
会話の間が怖くなって水を受け取ると
手持ち無沙汰に勢いよく飲んでみる
『ちょ、一気に飲んで咽せないでよ』
「ん、大丈夫」
『んはは、よかった。そろそろ帰りますか。
あ、先に言っとくけど拒否権なしね、家まで送る』
「…はい、お願いします」
パーカーの袖口から差し出された北斗くんの手が
膝に置かれた私の手をスマホごとぐっと引っ張ると同時に
心臓が一つ、大きく跳ねるのを
何故か必死に知らないフリをして夜道を一歩踏み出した
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つかさ(プロフ) - りんさん» お返事遅くなりすみません。いつもお読み頂きありがとうございます！ (2023年1月12日 2時) (
レス) id: 0c34a2e1f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 久々更新嬉しいです！！また続き待ってます🥹 (2023年1月3日 23時) (レス) id: 480bf35fa8 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - nanamisato73さん» お読みいただきありがとうございます^^偶然の出会い、嬉しいです。私も割とこんな性格なので同じと思ってくれる方がいると嬉しくなります。更新遅めですが気長に待っていただけると幸いです！ (2022年5月21日 20時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
nanamisato73(プロフ) - 初めまして、主さんが書く主人公の人間性？思考が、自分そのままで一瞬で読み終わってしまいました。夢の中であっても理解されている気がして嬉しかったです。美味しそうなタイトルなので開いてみてまさに偶然の出会いすぎました。この後の展開が楽しみです！ (2022年5月21日 10時) (レス) @page25 id: 29f3f3b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りんさん» お読みいただきありがとうございます＾＾え〜うれしいです…更新遅いですが待っててくださると幸いです。 (2022年3月13日 23時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2022年2月23日 16時
