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あまりのダイレクトな誘い方に固まっていると
今度は田中さんのスマホが着信を知らせる
『やべ、時間だわ』
「え、」
分かります？メンバーのこーちって奴
そう言いながらその着信に出ることなくて
え、切っちゃうの、高地さんかわいそう
『Aさんさ、今から言うことメモれます？』
何事？と思いながらも
手元にあったスマホのロックを開けてメモアプリを開く
「はい、お願いします」
『っと、090…「えっ、ちょちょちょ、！」
まさかの暗唱に咄嗟にストップを申し出た
なんて大胆なんだこの人は
『どしたんすか？』
「そっくりそのままお返ししたいんですけど、」
『これがいっちゃん手っ取り早くないすか』
「いや、空で言うのはいくらなんでも、」
『えー、ならスマホ借りれます？』
「あ、はい、」
私のスマホを受け取ると
まぁ別にここ誰もいないし平気っすけど
なんて軽々言って退ける田中さんは片手で番号を打ちながら
自分のスマホをポケットから出して交互に見たり打ったり
『よしオッケー、これ俺の番号なんで』
戻されたスマホの発信履歴の一番上に“Juri”という文字
『連絡するんで、電話出てくださいね』
そう言って心なしか満足そうな様子で身支度を整えると
『マジで申し訳ないんですけど払ってもらえます？』と
少し急いだ様子でポケットから1枚お札を出してテーブルに置いた
「え、多いですよ、」
『あー俺小銭持たないんでそれで』
と言われましても、と言いたいところだけど
急いでる様子の田中さんを煩わしく引き止めるのもいかがなものか
仕方なく応諾すれば、田中さんの口端がまた上がった
『っし、じゃあ、またね。Aさん』
「あ、お仕事頑張ってください」
『それはAさんもね』
「はい、…あと、」
北斗くんにもよろしく伝えてください、
なんて言いかけるぎりぎりで口を噤んだ
私如きが何様だ
『あと？』
「…いえ、何でもないです大丈夫です」
『そ？んじゃあ、俺行きますね』
「あの…お気をつけて」
『ふは、あざます』
再びキャップを深く被り直し
お洒落なデニムのポケットに手を入れた田中さんは
一瞬にしてオーラを切り替えて
通りを歩く人達の波に溶け込むように去って行く
それを見送り時計を見ればこちらも大分いい時間
田中さんから預かったそれと一緒に会計を済ませ
急ぎ足で仕事へと戻った
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つかさ(プロフ) - りんさん» お返事遅くなりすみません。いつもお読み頂きありがとうございます！ (2023年1月12日 2時) (
レス) id: 0c34a2e1f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 久々更新嬉しいです！！また続き待ってます🥹 (2023年1月3日 23時) (レス) id: 480bf35fa8 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - nanamisato73さん» お読みいただきありがとうございます^^偶然の出会い、嬉しいです。私も割とこんな性格なので同じと思ってくれる方がいると嬉しくなります。更新遅めですが気長に待っていただけると幸いです！ (2022年5月21日 20時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
nanamisato73(プロフ) - 初めまして、主さんが書く主人公の人間性？思考が、自分そのままで一瞬で読み終わってしまいました。夢の中であっても理解されている気がして嬉しかったです。美味しそうなタイトルなので開いてみてまさに偶然の出会いすぎました。この後の展開が楽しみです！ (2022年5月21日 10時) (レス) @page25 id: 29f3f3b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りんさん» お読みいただきありがとうございます＾＾え〜うれしいです…更新遅いですが待っててくださると幸いです。 (2022年3月13日 23時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2022年2月23日 16時
