カフェラテとカプチーノ

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どうして田中さんがそれを、

もしかしてグループってプライベートな話も共有してるとか？

え、それって仲が良いからとか？

それとも仲云々じゃなくて事務所のルールとか？




『え、めっちゃいろんな顔するじゃないすか』

「あっ、すみません、ちょっとびっくりして」

『え、何に？』

「なんで私とほ…松村さんのこと、知ってらっしゃるのかなって」

『あら、北斗のこと名前で呼ぶようなアレなんすね』





なんか、カマかけられた？

ってことは誰かに言われる？

だとしたら…




「っ、ごめんなさい！」

『わ、え、なになにどしたんすか』

「私松村さんとはその、全然そういう、関係ではなくて
　なんというか、そのー、元々…落とし物を拾っただけでして、」




きちんと説明しないとならない話なのに、これじゃ全然だ




『はっは！ちょ、一旦落ち着きましょ？てかここいいすか』

「あ…ど、どうぞ」




田中さんは通りに背を向けて腰掛けると

テラスに出ていた店員さんにコーヒーを注文する





『で？さっきの続きなんすけど、落とし物って？』

「えっと、それはその＿＿＿＿」




田中さんが『俺が個人的に聞きたいだけで、悪いようにはしない』

なんて言ったのもあって、ことの発端から全てを話すことに

私も私で北斗くんのお仲間の方だからか、つらつらと話してしまったんだけど





『うわぁ、なんすかそれ。すげぇ』

「ね、偶然が重なってって感じで」

『そりゃあ北斗もああなるわな』




ああなる、とは

気になったんだけど、なんか聞いちゃいけない気がする

でも言っておかないといけないことをまだ言えていないからそれに必死で




「だからってことでもないですけど、お友だちに、なりまして」

『へぇ、友だち、ねぇ』




コーヒーを啜った田中さんの目が一瞬冷ややかに感じた

なにしてくれてんだ、とか言われるのかな




『そう、それで。北斗から最近連絡きてます？』

「来てない、ですけど」

『やっぱりか』

「えっと、あのー、やっぱり、とは」



お仕事だよね、どう考えても

聞いてもいいのか、いけないのか、いやダメだろう普通に



『今アイツめっちゃ忙しくて。まぁ詳しくは言えないんすけど』



ですよね、うん

分かってるし、仕方のないこと

でもそれを聞いて何処か安心している自分

これが一番分からない




『だからAさん、今度俺と遊びません？』



いつか雑誌で見たような、口端を上げて田中さんは薄く笑った

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