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*
『こっちで合ってます？方向』
「はい、合ってます」
『駅近なんですか？』
「んー、歩いて15分くらいですかね」
「…あ、ここ左です」
『あぁ、こっち、』
何十秒かに一回、みたいなポツポツとした会話
お互いが手持ち無沙汰かのように持っているカップを啜る
もしこれを持っていなかったらと考えるとちょっとゾッとする
『Aさんそれ、何ですか中身』
「あ、これ、ラテです」
遮断機が降りた踏切で立ち止まる
煌々とした赤色の矢印は両方向とも光っている
立ち止まってふぅ、と小さく息を吐くと
隣に佇む松村さんはこちらを向いていた
『あ、俺も一緒。Aさんブラック以外も飲むんですね』
「そうですね、たまに。今日はずっとブラック飲んでたので」
そう、デスクに張り付いてPCに向かっていた時に
同僚何人かが差し入れと言ってくれた缶コーヒー
多分、いや確実に営業先でもらったやつ
気づけばそれを二本半も開けていた
過剰摂取とまではいかないけど
単純に味に飽きたところだった
『お忙しかったんですか？』
「ちょっと、午後に色々立て込んで、まぁまぁ」
あぁ、言わなきゃよかったな
そう思うのも遅すぎた
『もしかして俺、声かけるタイミング悪かったですかね』
眉を顰めた松村さんを見てすぐに後悔した
「…ほら、松村さんに比べれば全然ですよ？」
『いや、そういう話じゃ、』
「それに、あのー、あれですよ。
疲れとかほら、忘れちゃいました。松村さんに会って、」
…おい、自分
今何を言った？
いくらなんでも口を滑らせすぎてる
ほら、松村さん向こう向いちゃったじゃない
「ごめんなさい、変なこと言って」
電車来ないかな、踏切よ早く開いてくれ
なんてどれだけ願っても来やしないけど
『ふはっ、んはは、』
「え、え？」
またこちらに向いたかと思ったら
お腹を抱えて、笑ってるのか、堪えてるのか
『今のは…俺どのテンションで受け取れば良いですかね』
「あ、それは是非とも冗談で…」
『ですよね、そうですよね』
程なくして遮断機が上がる
やっとだ、いやもう遅いか
『行きますよ、Aさん』
「あっはい、」
普通に引いたよな今の、なんて考えている間に
気づけば数歩先にいた松村さんをまた追いかけた
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つかさ(プロフ) - りんさん» お返事遅くなりすみません。いつもお読み頂きありがとうございます！ (2023年1月12日 2時) (
レス) id: 0c34a2e1f9 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 久々更新嬉しいです！！また続き待ってます🥹 (2023年1月3日 23時) (レス) id: 480bf35fa8 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - nanamisato73さん» お読みいただきありがとうございます^^偶然の出会い、嬉しいです。私も割とこんな性格なので同じと思ってくれる方がいると嬉しくなります。更新遅めですが気長に待っていただけると幸いです！ (2022年5月21日 20時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
nanamisato73(プロフ) - 初めまして、主さんが書く主人公の人間性？思考が、自分そのままで一瞬で読み終わってしまいました。夢の中であっても理解されている気がして嬉しかったです。美味しそうなタイトルなので開いてみてまさに偶然の出会いすぎました。この後の展開が楽しみです！ (2022年5月21日 10時) (レス) @page25 id: 29f3f3b2e7 (このIDを非表示/違反報告)
つかさ(プロフ) - りんさん» お読みいただきありがとうございます＾＾え〜うれしいです…更新遅いですが待っててくださると幸いです。 (2022年3月13日 23時) (レス) id: 06d07b2f00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つかさ | 作成日時：2022年2月23日 16時
