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note 697 ページ48

***







「…」




予想外の事件。


佐野くん家まで辿り着いたのは良かったけど、
玄関入る前から分かる。


めちゃくちゃ中でどんちゃん騒ぎしてる。




「寝てないのか…」




てっきり寝てるもんだと思って、
こっそり渡そうと思ったのにこれじゃバレちゃう。




「…」




やっぱり今日は諦めようかな。
私もこれ以上帰るの遅くなるとまずいし。


プレゼントの箱を握りしめて
私は佐野くん家を出ようとした。




「!」




帰ろうとしたらバイクの排気音が聞こえて来た。
明るいライトで私の目の前が急に照らされた。




「えっ」


マ「A…!?」


「!」




乗っていたのは佐野くんだった。
よく見ると新品のバイク、真一郎くんから貰ったやつだ。




マ「なんでこんな時間に居んだよ!?」


「えっ…と…」




私はサッとプレゼントを隠して目を逸らした。


なんて言い訳しよう。
まさか本人に会うと思ってなかった。




マ「大丈夫か?来る時何もされてねぇか?」


「うん…」


マ「良かった…!」




ヘルメットを首から外した佐野くんが私の前に立った。




マ「俺に会いに来てくれたのか?」


「違うけど」


マ「なんでだよっ」


「だって違うもん」


マ「はぁ…」


「!」




顔を見ずに話していたら佐野くんが抱き着いてきた。




「?」


マ「んー…」


「何してるの」


マ「ん?誕生日プレゼントもらってた」


「えっ」


マ「お前とこうやって話してギューするだけで俺にとっては最高のプレゼントだっ」


「…!」


マ「はぁ…好き…」


「…」




なにそれ。


変な佐野くん。




マ「てか何しに来たんだ?」


「散歩」


マ「こんな時間に散歩すんな襲われんだろ。ったく可愛すぎんだよお前は」


「佐野くんもバイク乗ってた」


マ「家ん中うるせーから出てきた。飲んだくれいる」


「なるほど」


マ「てか送ってくから」


「えっ」


マ「バブの運転バッチリだった」


「…良いよ佐野くん寝なきゃだし」


マ「!…おい」


「?」


マ「そういう問題じゃねぇから」


「…」


マ「危ねぇもんは危ねぇの」


「大丈夫だって」


マ「…」




佐野くんが少しイラついてるのが分かった。



















***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時

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