note 694 ページ45
***
それから少しして佐野くんの誕生日が来た。
予定通り真一郎くんがバイクあげるみたいで、
佐野くん達はS・Sモータースに行ったってお姉ちゃんが言ってた。
私はと言うと。
「…」
姉「何してんのA!」
「…ん」
姉「今日佐野くんの誕生日でしょ?行かないの?真くんのお店でパーティーするらしいよ!」
「…んー」
姉「(えっ?なんで最近こんな感じなの?なんかあったのかな)」
「…」
姉「Aー?どしたの」
「…」
姉「プレゼント用意出来なかったとか?」
「…」
プレゼントは用意してる。
私は小さな箱をお姉ちゃんに見せた。
姉「わ!可愛いじゃん!ほら渡しに行こうよ〜」
「…大丈夫」
姉「えっ」
「…」
やっぱり呑まれそうになる。
誰かの指図が1番怖い。
私はお姉ちゃんの横を通って部屋に戻った。
姉「A…」
毎日毎日同じこと考えて不安になってるの私だけかな。
「…はぁ」
用意したプレゼントは
佐野くんに似合いそうなネックレスだった。
お小遣いを貯めてなかなか良いの買ったと思う。
でも、渡す勇気が無い。
「…」
机に伏せてプレゼントに触れる。
悩んで悩んで選んだプレゼントなのに。
あんなに渡すの楽しみにしてたのに。
全部…。
「…」
私は目を瞑った。
これ以上考えるのはやめよう。
***
35人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時