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***
「…」
その日から私の夏休みは退屈だった。
何しても気分が乗らなくて、
友達と遊んでいてもそうだった。
満たされないこの気持ち。
どうしようもないままただただ時が過ぎていった。
『社ちゃん!』
「…ん?」
『次移動教室だよ』
「…うん」
『一緒に行こ!』
「うん」
学校でも楽しくなかった。
友達にも素っ気ない返事をしてしまうけど、
皆優しいから分かってくれていた。
「…」
『今日雨だねー』
「うん」
『傘持ってきた?』
「忘れてきた」
『あらら、一緒に帰る?』
「んーん、お姉ちゃんに来てもらうよ」
『そかそか!なんかあったら言ってね!』
「うん」
佐野くんとの会話もホントに少なくなった。
会うのは集会の時くらい。
もうそれ以外では会わなくなったかも。
「…」
ド「今日雨やばくね?」
武「集会どーします?」
三「マイキー来ねぇから始めらんねーしなぁ」
パ「あいつ何してんだ?」
一「知らねー」
稀「春千夜が迎えに行ってるみたいっすね」
場「良かったわ俺じゃなくて」
ド「どーかん」
神社で雨宿りしながら皆で佐野くんを待つ。
三「A、寒くねぇか?」
「…うん、大丈夫」
三「良かった」
一「寒かったら言えよ〜俺があっためてやっから!」
「大丈夫」
場「ははっ!振られてやーんの」
一「うっせーよ場地!」
三「雨の日でも元気すぎだろお前ら」
武「あはは…」
「…」
武「(社さん最近元気ねぇのなんでだろ…)」
ド「ん?マイキー来たぞ」
パ「おせーよマイキー」
マ「お待たせ」
春「よっ」
一「あいっかわらず遅刻魔」
場「おかげでゆっくりできっけど」
三「ははっ」
マ「よし、皆いるな!始めんぞ」
それから私達は勢力拡大のために、
またどこを攻めるか考えた。
来年にはもっと大きな暴走族になるんだろうな。
マ「良いなそれ!!」
「…」
そんな暴走族の先頭なの。
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時