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note 693 ページ44

***







「…」




その日から私の夏休みは退屈だった。


何しても気分が乗らなくて、
友達と遊んでいてもそうだった。


満たされないこの気持ち。
どうしようもないままただただ時が過ぎていった。




『社ちゃん!』


「…ん?」


『次移動教室だよ』


「…うん」


『一緒に行こ!』


「うん」




学校でも楽しくなかった。


友達にも素っ気ない返事をしてしまうけど、
皆優しいから分かってくれていた。




「…」


『今日雨だねー』


「うん」


『傘持ってきた?』


「忘れてきた」


『あらら、一緒に帰る?』


「んーん、お姉ちゃんに来てもらうよ」


『そかそか!なんかあったら言ってね!』


「うん」




佐野くんとの会話もホントに少なくなった。


会うのは集会の時くらい。
もうそれ以外では会わなくなったかも。




「…」


ド「今日雨やばくね?」


武「集会どーします?」


三「マイキー来ねぇから始めらんねーしなぁ」


パ「あいつ何してんだ?」


一「知らねー」


稀「春千夜が迎えに行ってるみたいっすね」


場「良かったわ俺じゃなくて」


ド「どーかん」




神社で雨宿りしながら皆で佐野くんを待つ。




三「A、寒くねぇか?」


「…うん、大丈夫」


三「良かった」


一「寒かったら言えよ〜俺があっためてやっから!」


「大丈夫」


場「ははっ!振られてやーんの」


一「うっせーよ場地!」


三「雨の日でも元気すぎだろお前ら」


武「あはは…」


「…」


武「(社さん最近元気ねぇのなんでだろ…)」


ド「ん?マイキー来たぞ」


パ「おせーよマイキー」


マ「お待たせ」


春「よっ」


一「あいっかわらず遅刻魔」


場「おかげでゆっくりできっけど」


三「ははっ」


マ「よし、皆いるな!始めんぞ」




それから私達は勢力拡大のために、
またどこを攻めるか考えた。


来年にはもっと大きな暴走族になるんだろうな。




マ「良いなそれ!!」


「…」




そんな暴走族の先頭なの。


















***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時

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