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***
「…」
マ「…」
私はいつの間にか佐野くんの腕の中にいた。
マ「…彼女じゃなくてもいい、もう形なんて俺気にしねぇから…お前には傍に居て欲しい」
「…なに、それ」
マ「めちゃくちゃ後悔してる、こんなこと引き受けたの…」
「っ?」
マ「エマ達が…俺らくっつけようとして考えたんだ…今回のこと」
「…」
マ「お前に冷たくすんのも、俺が女いるって噂立てすんのも…全部そのためだったんだ…」
「なんで…」
マ「…Aがヤキモチ妬いてくれたら、俺のこと好きになってくれるかなって…俺も思ったから…でもごめん、逆にお前のこと傷つけた」
「…」
マ「責任は俺が取る。もう嫌いならそれでいい、けどお前のことは絶対守るから」
「…」
マ「ほんとごめん」
「…」
これも私がモタモタしてたせいなのか。
皆、気にしてくれてたのに。
私が佐野くんの気持ちも踏み躙ってた。
これは私への罰か。
なら受け入れよう、その罰を。
「…佐野くん…」
マ「?」
「…いいよ、彼女になる」
マ「えっ?」
「彼女になるから…」
マ「…マジで言ってる?」
「うん」
マ「え、いいのか?」
「うん」
マ「っ…やべぇ」
「…」
マ「A…」
「なに?」
マ「愛してるっ」
「!!!」
あれ。
冷たくしようと思ったのに。
なんでか心があったかくなった。
「…もっかい」
マ「愛してる」
「…!」
え、なんで。
なんでこんなに胸があったかいの。
痛くない、全然痛くない。
何この言葉。
マ「愛してるよ…ずっと…」
「っ!」
懐かしくてあったかいその言葉。
私は彼を求めていたのか。
「っ…佐野くん」
マ「?」
ずっと、求めてた。
ようやく分かった。
「佐野くん、怖かったから…して」
マ「へっ?」
「んっ」
マ「…ガチ?」
「早く」
マ「っ…」
むしろこの人がいないと私も生きていけない。
そう感じてしまうほどの何かがあった。
言葉に乗って私の中の何かが目覚めた。
マ「A…」
「…ん」
この人が大好きなんだってちゃんと分かった。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時