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***
「…」
泣きすぎたせいで声が出にくくなった。
マ「ほら」
「…」
結局あの場には居れないから、
佐野くんの家に連れてこられた。
冷たい飲み物を渡されるけど、
私は飲まなかった。
マ「…」
「…」
顔も殴られたから頬っぺが腫れてる。
お母さんになんて言われるかな。
「…ねぇ」
マ「?」
「用事あるって…言ってたよね」
マ「…うん」
「…行かないの」
マ「…ごめん、あれ嘘…」
「!!」
マ「ホントは何も用事ない…」
「っ…私と、居るの…鬱陶しかったってこと?」
マ「違う」
「…もういい」
マ「!」
「聞きたくない」
マ「A…」
「…」
マ「…」
「…私…」
マ「…」
「…私、佐野くんのこと、好きだよ」
マ「えっ?」
「…ちゃんと、好きだよ」
マ「っ!」
「でも、今はもう…無理…」
マ「えっ…A…」
「怖い…怖い怖い…怖い…」
マ「!!」
「っ…」
さっきのことを思い出すと震えが止まらない。
「…」
マ「…はぁ」
「…」
マ「…A」
「なに」
マ「ごめん」
「もういい」
マ「俺もAが好きだ」
「知ってる」
マ「…本気なんだって」
「じゃあ、なんでバイバイしたの」
マ「…」
「連絡くれなかったの」
マ「…」
「ほんとに私の事、好きじゃないよね」
マ「本気だって」
「じゃあ神社で言ってた話は!?」
マ「!」
「っ…」
マ「…あれも、全部嘘」
「嘘…?なんでそんな嘘つくの?」
マ「…それは」
「嘘ついてまでも、なにか成し遂げたかったなら…ごめんだけど、私今回の件はホントに許せない」
マ「!!」
「大好きな人にそんなことされて…あんな目に遭って…どうやって、嘘だったって…受け入れなきゃいけないの…!」
マ「A…!」
「私佐野くんが好きって言ったじゃんかッ!!」
マ「っ…」
「なんで、そんなことするの…ねぇ…なんで…」
また涙が止まらない。
ボロボロと溢れ出る。
「私…彼女じゃないから…?」
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時