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***
「…っ？」
あれ、入ってこない…。
『なんだテメェこの野郎！うわぁァ！！！』
『ギャアッ！！』
2人の悲鳴が聞こえる。
私の顔から手が離れた。
でも私は目を開けられなかった。
怖かった。
『く、そ…おぼえ、てろ…！！』
『逃げるぞ…！』
「…」
誰かが助けてくれたのかな。
でも、やっぱり怖い。
怖くて何も出来ない。
「っ！」
そうしているとまた私の顔が掴まれる。
でも今度は優しい。
涙だけが溢れる。
「…」
『目、開けろ』
「！」
『大丈夫』
「…」
その声には従うしかない。
だって。
マ「A…」
「…っ…さ、の、…くん…」
マ「顔…ごめんな」
「…」
涙が止まらなかった。
心がぐちゃぐちゃだった。
マ「A」
「なん、で…」
マ「っ？」
「なんで来たんだよッ！！！！」
マ「！！」
「ふざけんな！バイバイしたんだから会いに来んなっ！助けに来んな！！ほっとけば良かったでしょッ！！！」
マ「…」
「こんなとこ見られたくなかった！！！」
マ「…ごめん」
「嫌い…大っ嫌い…だよ…っ」
マ「…」
「もう…やだ…」
マ「…ごめん、俺が悪かった…」
「…」
マ「ホントごめん…ごめんA」
私は佐野くんの腕の中で泣き叫んだ。
佐野くんが悪いわけじゃないのに。
全部私のせいだったのに。
マ「ごめん…」
彼はずっと謝り続けていた。
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年3月26日 3時
