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マ「A食わねーの?」
「っ!…なんか、食欲なくて…」
マ「?そーなんだ」
「うん、持って帰ろうかな」
ずっと胃が痛かった。
変な汗もかいてきちゃって、
なんかちょっとしんどいな。
マ「!」
「…」
マ「え、体調悪い?」
「あ、いやそんなこと…」
マ「体調悪いなら帰れば」
「っ!」
真剣な顔から飛び出したその言葉に、
思わず息を飲んだ。
マ「どうせもうすぐだし」
「…」
そう、なんだけど。
そうじゃなくて。
「…うん、私帰るね」
マ「!」
「ごめんね!佐野くんも用事遅れちゃダメだからね」
マ「うん」
「それじゃ」
私はゆっくりと立ち上がって佐野くんの元を去った。
ずっと胸が痛くて、
なんか泣きそうだったから。
手に力が入らない。
「ハハッ」
こんな日ってあるんだね。
これからずっとこうなのかな。
結構、しんどいんだな。
そう思いながら駐車場へ戻り、
いつもの帰り道を歩いた。
こんな時間に帰ってるのは私だけ。
でも仕方ないことだから。
「きゃっ!!」
でもそういう時に限って。
『あーごめんごめん大丈夫キミ?』
『悪かったねー!』
「っ…大丈夫です…」
『立てる?』
「平気です、失礼しまっ!!」
『ちょ待ってよー!』
『ぶつかったお詫びくらいさせてー?』
「っ…」
わざとぶつかってきたくせに。
『今日お祭りなのに1人?』
『俺らも暇だからさー一緒にどう?』
「結構です」
『いーじゃんよ!』
『ほら来いって!』
「離してっ!!」
ずっと体調悪くて、
手に力が今も入ってない。
『可愛い〜』
『そんなんじゃ動かないよ〜ほらおいで』
「叫びますよ!!」
『叫んだらどーなると思う?』
「っ!」
何故か首に冷たいものが当たる。
『そ、良い子だね…』
『一緒に楽しもうな?』
「…っ…」
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時