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note 677 ページ28

***







「…」




エマちゃんの話、
嘘じゃなかったみたいだ。


今日1回も目を合わせて貰えなかったし、
会話もなかった。


さっきの話が本当なら、
佐野くんには…。




「…」




なんだろうこの気持ち。


初めてだ。
なんだか分かんないけど、
よくないのは分かる。


気分が晴れないまま、
私はお父さんを呼ばず歩いて帰ることにした。


特攻服だと目立つよね。
分かってるけど今は人と話したい気分じゃない。




「…」


『…おい見ろよ、東京卍會だってよ』


『最近黒龍倒したってとこだよな?』


『あいつ1人じゃね?』


『でもかっわいーな』


「…?」




また見られてる。
その方向に視線を送った。




「…」




見られてることにすら苛立ちを覚える。




「こっち見んな」


『!…んだとコラァ』


『調子乗ってんなぁ』


『女のくせに舐めてんじゃねぇぞ』


『その特服脱がせて分からせてやんよ』


「…」




あぁ、イライラする。


なんだろうこの感情は。




『グハッ!!』


『ガッ…テメェ…』


「うるさい」


『ぐあぁっ!!』


『やめろ!!死ぬ!!!』


「うるさい」


『おいもうやめてくれッ!』


『わ、悪かったよ!』


「…で?」


『ひいっ!』


『ごめんなさい!!』


「…」


『許してくれ、もう手ぇ出さねぇから…』


『頼む…』


「…ねぇ」


『ひっ!』


「男が女に求めるものってなに?」


『は、はぁ!?』


「愛?お金?体?顔?」


『そ、れは…』


『やっぱ…顔とか…体…』


「じゃあ可愛くてスタイル良かったら誰でもいいってこと?」


『そ、そりゃそうだろ…』


『可愛い子と、遊びてぇだろ…』


「ふーん…じゃあ」


『アガっ!!』


「今の私を見て合格だって言える?」


『ひ、ひぃっ!』


『殺される!!』


「こんな怖い女でもそう思える?ねぇ」


『ご、ごめんなさい!!』


『ねーちゃんのことは無理だ!!』


「!!」


『お、俺なら優しくて、可愛くて、スタイルいい子選ぶ!』


『お、俺も、!』


『だから勘弁してくれ!手ぇ出さねぇから!!』


「…そっか」


『逃げろー!!』


『わぁアッ!!』


『うあ!!』


『ヒィッ!!』


「…」




そりゃそうだ。


まさかこんなところで気付かされるなんて。



















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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年3月26日 3時

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