𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦349 ページ50
***
千「つか除虫菊なんざそこら辺で生えてる可能性ねぇだろうが…！」
「えっ？生えてたよ」
千「はぁ？」
「あったもん」
確かこの前どっかで見た気がするの。
でもどこにでも生えてそうな気がしたんだけどな。
千「…」
「信じられないなら取ってくるから！」
千「…ちっ。時間の無駄だ」
「えっ」
千「テメーが勘違いしねぇように教えといてやる。除虫菊は基本的に栽培されててそこら辺に生えてねぇんだよ。テメーが見覚えあってそこら辺に生えてんのは明らかにマーガレットかフランスギクとかだ」
「エェ！？そうなの！？」
千「花自体は全部激似なんだよ。見分けるにゃちょっとしたコツかもしくはピレトリンが含まれてっかどうか調べるっきゃねぇんだよ。んな事も分かんねぇで探す気だったのかこの猿以下」
「う…うぅ…」
ゲ「ちょ、千空ちゃん言い過ぎ…(完全に怒りに任せちゃってもー！！Aちゃんめちゃくちゃ凹んでるじゃん！)」
彼にガミガミ怒られ始めた。
そんなに怒んなくても良いじゃんと思いながら、
私は顔を歪めてしまった。
千「黙って俺の仕事手伝えアホ」
「ンー…でも…」
千「ンだよ。まだなんかあんのか」
「だって、蚊が居るのに…虫除けしないとまた刺されちゃうもん…」
服の裾をイジりながら彼にそう伝えた。
そもそもの原因がまだ何にも片付いてないし…。
千「はぁ…」
「！」
またため息をつかれる。
だんだん怖くなってきた。
ゲ「千空ちゃん、そろそろAちゃん泣いちゃうからさ。ほらネタバラシしてあげなよっ」
千「あーわァったよ」
「っ！」
そして彼はいきなり私の腕を掴んできた。
流れるように腕の内側に吸い付いてきた。
びっくりして一気に顔が熱くなる。
千「…ホレ」
「えっ？」
千「見てみろ」
「…！！」
あれ…。
彼に吸いつかれた所を見てみると、
朝見たあの痣と同じ痣が腕にも出来ていた。
千「先に行ってっからな」
「あ、え…っ？」
彼はそのまま何事も無かったかのように、
ドームを1人先に出て行ってしまった。
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年9月3日 21時
