𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦348 ページ49
***
今日はドームのお披露目だけで、
みんな後はいつも通りの作業に戻った。
私は彼に呼ばれたからドームにそのまま残っていた。
「千空！」
千「あー、おはよ」
「おはよう！」
そういやまだ挨拶もしてなかった！
寝癖とか付いて無いよね？大丈夫だよね？
千「テメー今日暇か？」
「えっ？」
千「俺の仕事手伝え」
「あ、あー…」
なるほどそう来たか。
いつもなら断る理由なんてないし、
私も出来れば一緒にやりたかったけど今日は…。
「ごめん、今日は無理…」
千「は…？」
ゲ「(ん？なんか不穏な空気…)」
ク「(え、なんか千空キレてね？)」
「今日はやりたい事があるの」
千「…」
私がそう言うと彼は少し顔を歪ませた。
なんでだ、って言いたそうなのだけは分かるよ。
ゲ「(千空ちゃん今までAちゃんにお誘い断られた事ほぼ無いからそりゃそうなっちゃうよねぇ。あーもう不安とか不満全部顔に出ちゃってるの分っかりやすぅ)」
ク「(なんか声かけた方が良いかこれ？)」
千「何すんだよ」
「えっとね…花！花探しに行くの」
千「花？」
ゲ「(あ、ちょっと表情緩んだ。男絡みじゃないと分かればこの反応なるのジーマーで面白っ)」
「うん、除虫菊って白い花なんだけど…」
千「はぁ？除虫菊？」
「そう！千空知ってる？」
千「あ"ー蚊取り線香の原料だろ」
「それ！それ探しに行くの」
千「なんでだ」
「えっとね…」
私は今朝痣になっていた所を見せようと、
髪の毛をズラして彼に指で場所を示した。
「見てココ！」
千「！」
「後ね、これココにもあるの」
さすがに胸元のは見せられないから場所だけ指差したけど、位置は伝えられたと思う。
「朝起きたら蚊に刺されてたの！しかも2ヶ所！」
千「…」
「だから除虫菊見つけてストーンワールド初の蚊取り線香作ろうと思って！」
千「…」
「ん…？千空、聞いてる？」
彼は私の痣を見てから硬直していた。
ゲ「(あーそういう事ネ！千空ちゃん、カワイソー…)」
ク「(なんだ？)」
「ねぇ聞いてるの千空！」
千「…はぁ…」
「え、ねぇ？千空？」
すると突然しゃがみこみ頭を抱え始めた。
それを見ていたゲンさんがさり気なく彼の背中を摩っていた。
「…？」
ゲ「千空ちゃんドンマイ」
千「猿以下め…！」
「エェ！？」
そして辛辣過ぎるセリフと睨み。
私また何かしちゃったんですか。
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年9月3日 21時
