𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦343 ページ44
***
科学以外の欲求には疎い、か…。
「…」
千「おい。堂々と人の股間触んな」
「んー」
確かにあんだけされたのに彼の息子反応無い。
普通にEDの疑いあり。
「なんで急にそんな事考え始めたの?」
千「…」
そう問いかけると彼は横目でちらっと私を見た。
千「…テメーに慣れるためだ」
「私?」
千「あぁ」
「どういう事?」
千「こっちの事情だ気にすんな」
「ヤダ気になる!」
千「おやすみ」
「んねぇ!!」
彼は答えることもせず目を閉じて寝始めた。
なんかモヤモヤするなそれ…。
「ン!」
千「…」
でも彼は腕を伸ばしてこっちに来いって合図してくれた。
私は彼の横腹にギュッとしがみついた。
千「寒くねぇか」
「千空が温めて」
千「無理。布団被れ」
「千空被る」
千「…」
「あぅっ」
変なこと言ってたらデコピンを食らった。
千「寝んぞ」
「ってて…千空が起こしたくせに」
千「すぐハツジョーすんなテメーは。猿か」
「本能には逆らえないの」
千「ククク」
「てゆーか普通好きな人にあんな事されたらそうなっちゃうでしょ。千空がおかしいの」
千「あー…まぁそうかもな」
「…」
もしかしたらそういう気持ちがどんなのかも彼には分かんないんだろうな。でも今日頑張ってそうなろうとしてくれてたって事なのかな。
「ふふっ」
千「まーたくだんねぇ事考えて笑ってらァ」
「違うもん。千空頑張ってくれてたんだなーって思ったら嬉しかったの!」
千「勝手な事言うな」
「私には分かります。あなたは私の事がそれはそれは好きで好きで堪らっ」
千「あーうるせぇ黙れ」
「あぅ!」
まだ話してる途中なのに頬を抓られる。
千「寝ろっつったら寝ろ」
「な、なんれ…!わたひ、わるふない…のに」
結構な勢いだったからそれなりに痛かった。
私の顔がたるんだら彼に整形費用請求してやる。
千「次喋ったら明日ネズミの餌にすっからな」
「んなっ…!」
フッと悪い顔で笑いながら、
彼は私をギュッと抱き締めてくれた。
ハッキリ言って悪い気がしない。好き。
チョロ過ぎ私。
千「…」
「…」
私が静かになると彼はゆっくり背中を叩いてくれた。
なんやかんや言って彼は子供の扱いとか上手そう。
自分が子供みたいに思うからあんまりそう考えたくないけど、でも彼にされる事なら何でも好きだ。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時