𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦341 ページ42
***
「む…」
千「いつまで怒ってんだメンドクセーなぁ」
「ふんっ」
夜も更けた頃。
私は目が覚めてしまい暗くなった辺りを見回したが、
彼がいつの間にか居なくなっていた。
一緒に寝ると思ってたからそれに腹が立ち、
彼が戻ってくるまで絶対に寝ないと決意。
毛布に包まりずっと待ってたけど彼が戻ってきたのは、
多分現代で言うところの夜中12時くらい。
こんな時間まで一体どこで何してたのか、
そしてなんで私を置いていったのか等。
時間が経つにつれてイライラが増し、
彼が戻ってきた頃に爆発させてしまった。
千「ほら寝んぞバカ」
「ふん、知らないもん」
千「ンでだよ」
「だって!」
千「あー、勝手に居なくなったのは悪かった」
「…」
千「クロムんとこ行ってたんだ。素材確認しにな」
「なっ…素材確認は午後もやってたじゃんか!」
千「別件だ別件」
「ンー…」
千「言っとくがテメーがアホみてぇに考えてるようなこたァしてねぇからな」
「私が何考えてるか分かるの!」
千「浮気とかだろ」
「違うもん。千空は浮気したりしないもん多分…」
千「いやそこは自信持つか疑うかどっちかにしろ」
「ふん」
私が怒ってるのは寂しかったから。
起きても全然帰ってこなかったせい。
どうせ素材に夢中になって次のクラフトの事とか
考えてたから遅くなっちゃったんでしょ。
そんなの手に取るように分かる。彼がオタクだから。
千「とにかく寝んのか、寝ねぇのか」
「…」
千「今来ねぇならあと知らねぇからな。おやすみ」
「んなっ!やだ!」
千「なら来い。メンドクセークソガキだな…」
「んわ!」
彼に包まっていた毛布を剥がされ、
そのまま腕を引っ張られる。
千「つかいつの間に着替えたんだその服…」
「寝巻きにするって言ったでしょ」
千「はぁ、まぁいいわ」
「ねぇ可愛い?」
千「しつこい」
「ン!」
千「黙って寝ろ」
「意地悪」
千「ククク」
私が背を向けると笑いながら背中に抱き着いてきた彼。
お腹に腕を回されてグッと引き寄せられる。
まぁ抱きしめてもらって満更でもない私は、
彼の手を握ってゆっくり目を瞑った。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時