𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦340 ページ41
***
「…」
千「寝んのはっや」
宝島ん時はアホ程粘ってたのに今日は大人しいな。
もうピクリとも動きやしねぇ。
千「はぁー」
にしても呑気でイイなーコイツ。
こっちの気も知らねぇで。
まぁいいわ。
「…」
千「…」
俺から引き剥がして布団に寝かせたがやっぱ動かねぇ。
死んでんのかってくらい動かねぇ。
どんだけ爆睡してんだ。
ク「おーい千空居るかー！」
千「ん？」
バカ女の顔見てたらクロムが俺を探してる声が聞こえた。
千「ちょっと行ってくっか」
「…」
ク「千空ー！」
バカ女に布かけてから俺はテントを出た。
ク「おぅ！そこに居たのか！」
千「んだよデケェ声出して」
ク「実はさ！あの宝島でもこっそり素材集めしてたんだけどスゲー良い石見つけたんだよ！見てくれ！今すぐ！」
千「あーわぁったよ」
ク「へへっ！そう言うと思ったぜ！あっちだ！」
千「ったく相変わらずそういうとこちゃっかりしてんなテメーは」
ク「まぁな！素材王の名は伊達じゃねぇ！」
千「ククク」
そのままクロムの後を追って素材置き場まで逆戻りだ。
ク「つかなんであのテントに居たんだ？」
千「うちのわがままお嬢様寝かしつけてたんだ。あと荷物の整理」
ク「ぷッ…千空ついに母ちゃん昇格か！」
千「ざっけんな死んでもゴメンだ」
ク「ハハ！まぁ何がともあれAもちっとは元気なったみてぇで良かったわ」
千「あー。だいぶ宝島でメンタルボコされちまったからな」
ク「俺もあん時は疑っちまったけど、よく考えりゃ司帝国ん時もいっちばん最初に手ぇ貸してくれようとしたのアイツだったな」
千「ククク…テメーのトリックにも気付かねぇでずっと肺炎拗らせたと思い込んでやがったしな」
ク「だな！陽騙そうとしたのにまさかAまで騙されてたとは思わなかったぜ！」
千「雑頭とはちげー単純バカだからなーあれは」
ク「ま！そういうとこも知ってっからAがホワイマンの仲間とかそーゆーの考えなくなったんだよな」
千「考えるだけ時間の無駄だ」
ク「だなっ！」
まぁ…。
俺にはなんでアイツの中に石化装置らしき物体が入ってんのか1ミリも分かんねーわ。それはアイツのルーツを辿んねぇ限り分かりっこねぇ事だからな。
ただ確かなのは、本人が望まぬ形で手に入れちまった事だ。それがアイツの枷になってんなら、俺が何とかしねぇと。
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年9月3日 21時
