𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦339 ページ40
***
「ンンンー！！！」
千「ククク…バカ女」
逃げようとして顔を背けても彼がわざと指を咥えさせてくるせいで結局ずっと口の中に指がある状態。
最悪！と思いながらも逃げられず涙目になるが彼はお構い無し。
「やぁら！はなひへ！！」
千「テメーから噛んできたクセに今更嫌がんなよ」
「ようひゅうはわっは！！ひはない！はいあふ！」
千「ククク間接幼虫味わえ」
「ううう！！！」
彼の胸元をガンガン叩いても指を抜こうとしてもこーゆー時だけ意味不明な馬鹿力出してきてウザい。
私が眠くて力入らないだけかもしれないけど！
「んッ！」
千「！」
そして暴れたせいで運悪く喉の奥に彼の指が入ってしまって思いっきり噎せてしまった。
「ｹﾎｯｹﾎｯ！」
千「あー悪ぃ」
「…」
悪いって思ってんなら最初からそんな事しないでよと心の中で叫んだ。
そして悪いと思ったのか私の頭を撫で始めた。
「ん…酷い…！」
千「悪かった。あと幼虫は嘘だ」
「！」
千「ほら懲りたろ。さっさと寝やがれ」
「ンー」
意地悪して寝かせようとしてくるなんて。
彼らしいっちゃ彼らしいけど。
千「…」
「…」
でもこうやって寝るまで傍に居てくれるのは嬉しい。
私は改めて彼の胸元に顔を埋めて寝始める事にした。
「…よしよしして」
千「へーへーお姫様」
彼に撫でられるとさらに気分が良くなる。
このまま文句なしで眠れそう。
千「(そういや今日この猿以下慣れしようと思ってたんだった。いつものバカに付き合わされて忘れてたわ。あ"ーどーすっかなまた出航したらんなチャンス100億％ねぇだろうしンー)」
「…」
千「(まぁ、わざわざ叩き起してすんのもおかしいしな。このまま寝かせてやんねーと後々面倒っつう事もある)」
「…んん」
千「…寝ろ」
彼の優しい声が脳内に響く。
そのままゆっくりと私の意識は落ちていった。
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年9月3日 21時
