𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦333 ページ34
***
司くんが彼の居場所まで案内してくれると言うので
そのままついて行く事にした。
司「そういえば体調は大丈夫なのかい?」
「えっ?」
司「さっき会った時少し血が見えた気がしてね」
「あ、あー…うん。鼻血出ちゃって」
司「!…もしかして体弱いのかい?」
「ううん。ちょっと諸事情で…」
司くんにもホワイマンの事なんて説明していいか分かんない。彼にさえ知っててもらえればそれでいいと思うけど。
司「そうか。なら気を付けないとね」
「うん。司くんはもう大丈夫なの?」
司「ふふ、お陰様でね」
「…良かった」
司「心配してくれてたのかな?」
「うん、そりゃね」
司「あはは嬉しいな」
「もう無理しないでね」
司「君にそう言われたら俺も気を付けるよ」
「ふふ」
司くんのリードが上手なおかげで、
意外と気にせず話せている気がした。
司「それはそうと…」
「?」
司「俺が眠ってる間、さらに綺麗になったね」
「えっ!」
司「歳ももう俺と同じくらいになったのかな」
「あ、そう…かも」
司「ふふ…そうか」
「っ!」
急に立ち止まった司くんの背中にぶつかる。
「司くん…?」
司「俺にはあの日のことが昨日の事のように思える。けど君の成長した姿を見たら随分時が経ったんだって実感したよ」
「!」
振り返った司くんが私の髪の毛に触れてくる。
司「本当に綺麗だ」
「え…と…」
びっくりするくらいどストレートに伝えられ
思わず声が出なくなる。
司「…わがままかもしれないが、少しだけ君を抱き締めてもいいかな?」
「!?」
司「少しだけだよ」
さらに戸惑う私に笑顔で少しと指で形を作って見せる司くん。でも彼に怒られちゃうし…。
「…あの、千空に…怒られちゃうから」
司「!」
「ごめんね」
司「…」
そう伝えると何故か笑う司くん。
司「なるほど。君の千空に対する想いは本物だね」
「うん」
司「(そうか…千空、本当に君って男は…)」
「あ、あの?」
司「…良いね」
「え?」
司くんに断ったはずなのに何故か迫って来る。
「つ、司くん?」
司「俺はそういうの逆に燃えるタイプだな」
「エ!?」
司「ふふ」
「あっ!」
そう微笑まれると問答無用で抱き締められた。
質問の意味なかったじゃんか。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時