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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦329 ページ30

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それから私はフランソワさんの元で一緒にシュトーレン作りに励んでいた。焼きのタイミングとかはフランソワさんの方が詳しいから私は生地作りメインだけど、目標個数まで結構あるから大変だった。



フ「A様、最初のシュトーレンが出来ましたので味見してみますか?」

「はい!」



フランソワさんにシュトーレンの1部を貰って味見した。



「ん!美味しい!」

フ「これは成功ですね。今までの分量を目安に量産していきましょう」

「ですね!」



気合いが入る。
私は一生懸命シュトーレンを作った。



龍「お!Aはパン作りか!」

「うん!」

龍「フゥン愛しの貴様と安定のフランソワの手作りシュトーレン…なんて俺得なんだ!素晴らしいぞ!」

「俺得…?」



なんだその日本語。



フ「俺得と言うのは自分が得をしてるという意味ですよ」

「あ、なるほどそれで俺得か…」

龍「貴様が俺の妻となればもっと俺得だかな?」

「なりませんっ」

龍「くッ…諦めんぞ!!」

フ「(龍水様、ファイトでございます)」

「あ、そうだ。龍水くんも試食する?」

龍「!良いのか!」

「うん。はい、あーん」

龍「ハッ!!フランソワ!写真だ!」

「え?」

フ「かしこまりました龍水様」

龍「未来の妻との初あーんを写真に収めねば…!」

「え、いや…そんな大袈裟な…」



フランソワさんもう準備してるし…。



龍「緊張の瞬間だな…!」

「えぇ…?」

フ「龍水様いつでも問題ありません」

龍「よし、では来い!A!」

「うぇえ…う、うん」



お願いポーズをしながら嬉しそうに口を開けている龍水くん。そこへ恐る恐るシュトーレンを入れようとしたら…。



龍「ンガッ!」

「え…」

千「ククク…」

フ「!」



私の手より先に別の手が伸びてきて
龍水くんの口の中に何かを入れ込んだ。



龍「苦ァ!!な、何だこれは!千空貴様!!!」

千「おおっと悪ぃ手が滑って俺が試しに作った黒焦げパン食わせちまったわ〜」

「千空!」

龍「貴様…!」

フ「(先程横で千空様がやたらとシュトーレンを加熱していたのはこのためでしたか…)」

千「おいそれ寄越せ」

「はい、あーん」

千「ン」

龍「それは俺のあーんだぞォー!!?」

千「ククククク」



後ろで口を開けていた彼に食べさせると、
龍水くんが激怒しながら叫んでいた。
彼は悪魔のような悪い顔でずっと笑っていた。








***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時

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