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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦319 ページ20

***







『それはお前です』

「っ!」

『私が居なければお前はとっくに死んでいたです。私のおかげでお前は生きていられるです。何度言えばお前は理解するです』

「あんただってお母さんに助けて貰ったくせに!」

『あの人間は本当に余計な事をしただけです。そのせいでお前のような無能な人間と関わることになった私が、この世界で1番不幸だと言えるです』



前よりもずっと人間味を帯びた言葉を突き付けられる。
これも私と融合したからなの?



「そんなに嫌なら私の心臓だけ治してとっとと消えなよ」

『…お前、あまり自分が不利になるような発言は控えた方が良いです』

「だってそうじゃん。お互い嫌ならッ…!」

『お前は本当に無能な人間です』

「うっ…!!」



言葉を遮るように私の鼻の奥で
何かが弾けるような衝撃を感じた。



『お前と融合した私には既に感情というものが生まれているです。無能なお前よりはこの機能をまともに使えると自負しているです。そして、お前がいつまでもその態度ならばこちらもそれなりの対処をするしかないです』

「っ…はっ…」



衝撃を感じた直後、
ダラダラと鼻血が地面にこぼれ落ちる。



『決定権はこちらにあるです。お前を何回か殺して分からせるのも私の手段として持ち合わせているです』

「っ、げほっ…」



鼻から息が出来ない。
口で一生懸命呼吸するけど、
鼻奥から器官を通って口にも血が回り込んでくる。



『だがそれでは石神千空との取引が無くなるです。今回はこの程度で済ませておくです。今後はその無能な脳でしっかり考えてから話すようにするです』



そう言うと鼻奥の痛みが一気に無くなり、
流れ出ていた血も少しずつ止まってきた。



「っ…なんで…」



またやられた。
本当に大っ嫌い。

悔しさでいっぱいになった
私の目からは涙が溢れていた。



羽「なんか拠点のあっちの方から凄い怒鳴り声聞こえたんだけど…」

ゲ「あれあっちってAちゃんの居るとこだよね?」

千「!」

羽「うん、Aっぽかったかも。僕急いで見に行くよ」

千「俺が行く。お前らゆっくり戻って来い」

ゲ「あ、ちょっと千空ちゃん?!」

千「(あの距離から石化装置に誘発されるとかあんのか?何にせよ多少は影響あったんじゃねぇのか…)」









***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時

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