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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦314 ページ15

***






神様、この状況は一体なんですか。



「っ…はぁ」

千「クク」



布越しとは言え彼の指先が動く度に心臓が爆発しそうなくらいドキドキする。何より彼の優しい触り方が気持ち良くて出そうとしてなくても声出ちゃう。



「んん…っ」

千「心拍数とんでもねぇ事なってんぞ」



どう考えてもあなたのせいなんです!!
変な気持ち止まんないよヤダヤダヤダ!



「もうっ…ぁ、だめ…!」

千「んな顔してるくせに何がダメなんだよ」



悪い顔したいのか微笑みたいのかよく分からない彼。
そして私を困らせたくてわざと動きに緩急付けてくる。
好きな人にこんな事されたらきっと誰だって嬉しいしドキドキするしもっとして欲しいとか色んな事考えるんだよ。
その点彼は私を困らせたいだけなのが悪魔的。

この表情見てるだけでそんな風に思えちゃう。
でも結局私も私の体も素直だから、
どんどん欲に耐えられなくなってきてる。



「ねぇっ…、」

千「ん?」

「これっ、楽しいの…?」

千「普通」

「えぇっ…」



じゃあなんで触って来るのさぁ。



千「でもテメーのその顔には正直唆られる」

「っ!」



目の前で彼からそんな事言われると思ってなくて、
私は固まってしまった。顔が熱くて死にそう。
余計に彼の手や視線を気にしてしまいビクッと体が跳ねる。それに気づいた彼がグッと顔を近付けて来て、悪い顔しながら私の耳元で囁いてきた。



千「なんだァ今の」

「だ、だって…!」

千「ククク…んな動揺すんな」

「う…っ」



彼の吐息混じりボイスの破壊力、鼓膜も心臓も何個あっても足りないです。それだけじゃなくていきなり手つきも変わって優しく包まれるの気持ち良すぎて頭おかしくなりそう。
もうダメだと感じて彼の背中に手を回すと片手で頭を撫でてくれた。



千「心配しなくてもテメーは可愛い」

「へ…?」

千「だから何も気にすんなよ」

「…」



彼の言葉が耳の中に響いて脳内に届くのは速かった。
でも私の処理が追いつかなくてポカンとしてしまった。



千「ばーか」

「っ…」



全て理解出来た頃には「遅せぇ」と言いたげな顔をしながら私にキスするために迫る彼が目に映った。



「…大好き」

千「!」



キスする直前咄嗟にそう伝えると
彼の頬が少しだけ赤くなった気がした。



千「(アホか。コッチがもたねぇっつうの…)」







***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時

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