𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦311 ページ12
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千「で?」
「…可愛いくなったらたくさん友達出来るかなって思ったの!」
それから彼はこちょがすのを止めて、
私の両手を握りながら話を聞いてくれた。
「可愛くなれば友達もたくさん増えて、チヤホヤされるかなって思って美容に時間かけてたの」
千「動機が相変わらず不純だな」
「だって!虐められてたから…」
千「あーそういやンなこと言ってたな」
「可愛い子は虐められないみたいなイメージ強かったから、私も両親に頼んでアレコレやらせてもらってたの」
千「んで結果は?」
「『親の金の無駄遣いしてる』って陰口叩かれた。まぁそれはご最もなんだけど…」
千「まぁ一般家庭でガキに大金注ぎ込むのはちと厳しいからなー。嫉妬とかもあんだろ」
「ンー…」
確かにうちが特殊なだけで普通の家庭の子はそんな事しないもんね。
千「つうか」
「?」
千「そりゃもうテメーの性格の問題だな」
「っ!」
千「ガキの頃のテメーは全く知らねぇけど、嫌われるとすりゃもうそこしか考えらんねぇだろ」
「わ、私…」
私の性格?
私、そんなにやばかったっけ。
良い子にしてたと思うんだけど…。
千「まーそのクソわがままっぷり発揮してたってんなら俺も虐めっ子の気持ち分かんなくねぇわな」
「えっ…」
千「その性格だけで言や大分迷惑だかんな」
「…!」
なんでそんな事目の前で言うの?
私気にしてるんだよ…?
「…」
千「自分で虐められてた原因分かんねぇならそうだろ」
「そ、れは…」
でも、そうなのかもしれない。
考えたくなくて全部自分の都合の良いように捉えてた。
どうして私の事あんなに虐めて来たのか、
どうして私は虐められてたのか分からないまま。
「…私が悪い」
千「ふーん」
「虐めっ子の気持ち、考えた事無かった」
千「そうか」
この歳になって気付くと思わなかったけど、
私もう少し変わった方がいいのかな。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年9月3日 21時