𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦259 ページ10
***
「んふふ」
フ「お気に召されましたか」
「はいっ」
彼が言ってた通りフランソワさんが新作のラテを作ってくれた。コクがあってずっと飲んでられる。
フ「それにしても大変でしたね」
「?」
フ「お体のことです。千空様よりご事情は伺っておりました」
「あっ…」
なんかもうみんな知ってる感じなのかな私の事。
「…」
フ「申し訳ございません、お気を悪くさせてしまわれましたか?」
「あ!いえ全然」
まぁ多少なりとも気にしちゃうけど私が凹んでたらみんなももっと気になるだろうし、ここは少しでも明るく居た方が良いかなって思ってる。
フ「無理はなさらないでくださいね」
「大丈夫です!フランソワさんのラテがあれば!」
フ「ふふっ…」
にしてもフランソワさんのラテが美味しすぎて止まらない。
フ「…やはり似ておられますね」
「ん?」
フ「ケイル様にです」
「あはは!」
フ「A様の美しい仕草に懐かしさを感じました」
「ちなみにお父さんってモテモテだったんですかね?」
フ「詳細までは存じ上げませんが、それはもう研究者方の間では国民的アイドル並の派閥に居たとか居ないとか…というお話でした」
「ぷっ…なにそれ…!」
フ「そこに舞い降りた女神と言いましょうか…麗子様にケイル様が惹かれていった、とまでは聞いております」
「お母さんかぁ…」
私を助けてくれてたお母さんの姿。
今でも脳裏に焼き付いて離れない。
「…私、2人にすごーく愛されてたんだと思います」
フ「私もそう思います」
「…」
なんだか2人の話を聞いてたら会いたくなる。
どこにいるかも生きているのかも分からないけど、
もしまた会えるなら2人にちゃんと伝えたい。
「私も2人のこと愛してます」
フ「!!」
一度も言った事ないこの言葉をいつか伝えたい。
「さて!私そろそろ行きますね!」
フ「お粗末さまでした」
「ありがとうございましたフランソワさん!」
だからちゃんと彼の手伝いしなきゃね。
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時