𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦257 ページ8
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「…」
千「おい起きろ」
「…んん」
千「起きねぇとテメーにネズミ寄ってくる匂い玉持たせんぞ」
「んやっ!」
物凄く肝が冷えるような発言を聞かされながら私は起床した。
「んー…」
千「邪魔」
「ん、邪魔じゃなぁい」
千「それは俺が決めんだバカ女」
起きたら彼の上で寝ていた。
今日に限って超寝相悪くないか私、どうなってんだ。
「いーじゃぁん」
千「ハァ」
眠くて起きられない私の頭上で彼は大きなため息をついた。そして私ごと起き上がらせるように上半身を起こしていた。
「あっ!」
千「テメーの鬱陶しさはコセンダングサ並だな」
「それくっつき虫の事でしょ…」
千「大正解」
「え〜じゃあもっとくっつき虫する…!」
千「んなら俺はテメーをネズミか蛇の餌食にすんぞ」
「っ!…だめぇ!」
すぐ怖い事言ってくる。
千「んなら起きろ」
「分かったぁ」
眠い目を擦りゆっくり目を開けると、思ったより近くに彼の顔があって思わず見惚れてしまった。
「…」
千「…ンだよ」
「…千空かっこいい」
千「あ"?!」
目を見ながら素直にそう話すと冷や汗かきそうなくらい変な顔をし始める彼。
「私このヒビの跡もこの眉毛も鼻も口も全部好き。特に目が好き千空の。目綺麗…」
千「っ!ちょ、待て…!」
深夜テンションならぬ寝起きテンション。
好きが溢れてるのは分かったけど止められない。
「ふふっ全部大好き」
千「っ…(あ"ー始まった…!)」
少し動揺してる彼が珍しかった。
意外とこうやって伝えられると恥ずかしいのかな?
なんだぁ可愛いところあるじゃん。
千「あ"ー!ほらいい加減行くぞ!」
「おんぶしてぇ」
千「自分で歩け!テメーの足は何のためについてんだ」
「今人魚姫だから歩けない」
千「んならずっとそこに居ろ」
「ねー!ヤダっ!!」
千「!」
逃げようとする彼の背中に抱き着いて一生懸命止めようとすると顔に手を当てて大きくため息をついた。
千「ホンットにクソわがままだなテメーは」
「えへへ」
千「1ミリも褒めてねーから笑うな!」
「あぅっ」
チョップ食らうの何回目だろうってくらい叩かれてる。
千「ハァ…ほらよ」
「!」
千「クソガキが」
「わーい!やったー!」
でもちゃんとおんぶしてくれる優しい彼でした。
千「(あ"ー可愛いークッソうぜぇ…)」
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時