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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦299 ページ50

***






「…」



結局2人が話終わるまで私はその場から動けなかった。
朝日まで見ちゃったし。



コ「一緒に戻ろうか千空」

千「あぁ」



彼、コハクと一緒だと本当に優しい顔するよね。



「…」



多分この様子だとラボカーには戻って来ないだろうし、
私も今から戻ったら2人のこと見てたのバレる。
それはそれでストーカーしてたみたいでなんか嫌。



「…はぁ」



いや、そりゃ2人っきりで朝日見ながら語ってる姿見せられたらそりゃヤキモキもするけどさ。
毎回そんな事考えてたら本気でおかしくなっちゃう。

ただでさえ私はメンタル弱いから、
少しは打たれ強くならないとやっていけないよ。

それにそんな事よりなんで彼がラボカー来てくれなかったのかだけ気になる。初めて嘘つかれた。



「…」



もしかして昨日の私かなり鬱陶しかったのかな。
逃げようとしてたし、あんまり乗り気じゃなかったよね。



「嫌なら嫌って断れば良いのに」



優しいから面と向かって断れなかったの?
ならもう誘わない方が良いの?

彼からアクション起こしてくれる事なんて、体調悪い時とかそれくらいだったから自分から声掛けてたけど。

迷惑ならもう…。



千『強いて言うなら迷惑料』

「…!」



あぁ…そういえば言われてた。
なんか思い返すと結構ショックかも。



「…」



そもそも、
私と付き合う余裕なんて今の彼に無いはずなのに。
私の心が壊れないように彼があの時配慮して告白してくれたのかな。だとしたら優し過ぎるね。



ア「Aちゃん…?」

「あっ…」



それにきっと私が居なくなったとしても。
彼はそれを乗り越えて前に進んで行く。



ア「何してたの!?」

「…散歩」

ア「そうだったの…昨日は本当にごめんなさい」

「ううん。こっちこそ。アマリリスちゃんは何してたの?」

ア「ちょっと眠れなかったの…」

「!そうだったんだ」

ア「良かったら一緒に歩かない?」

「うん」



そういう彼の真っ直ぐなところも、
私はちゃんと好きだから何が起こっても否定しないよ。



ス「…」

千「ん…?」

ス「…」

千「A?」

ス「…」

千「は…?どこ行きやがったアイツ…」

ス「んん…」

千「(マズイ来んの遅かったから拗ねでどっか行っちまったなこりゃ。はぁ探さねぇと)」









***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時

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