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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦294 ページ45

***







「もう」

千「そろそろギブアップか?」

「ギブアップ…疲れた」



粘ってみたけど通して貰えず結局彼にそのまま抱き着いた。フッと鼻で笑った彼はまた私の頭を撫でてくれた。
優しいのか意地悪なのか分かんないなぁ。



「ん〜」



でも彼に撫でられるの大好き。
すぐに甘えたくなる。



「千空〜」

千「んだよ」

「今日千空も一緒に寝ようよ」

千「はぁ?せめぇだろ」

「お願い」

千「なんでだ」

「私が好きな人たちに囲まれて寝たいから」

千「自己満かよ」

「いーでしょ?」

千「…」



彼は嫌そうな顔をせず私に手を添え、
優しい表情のままゆっくり近付き唇を重ねた。



「んっ」

千「…」



ダメじゃないってすぐに分かった。
嬉しくなって私も彼の両頬に手を添えた。
ふとした瞬間に彼の綺麗な目と視線が絡むとドキドキが止まらなくなる。



「…千空もっと」

千「クク…ワガママだなテメーは」



彼の手がそっと降りて来て私の首元で止まる。
付けていたリボンをそっと解かれた。



「っ…」

千「…」



あぁついにこの時が来てしまったのか。
そう思いながら目を閉じていると、
何やら手首が痛くなって来た。



「…エ?」

千「うるせーから縛っとくわ」

「ハァ!?」



急に外されたリボンで手首を縛られていた。
ビックリしすぎて動揺する。



千「よし」

「な、なんでこんなことするのさ…!しかも今超良い雰囲気だったじゃんか!」

千「ん?そーか?」

「…」



耳をほじりながら彼はすっとぼける。



「くぅ…私のチューとドキドキを返せー!!」

千「ほれ」

「っ!」



そう言うとすぐにグッと入り込んで来るような
ちょっと深めのキスをされた。



「へ…」

千「ククク黙って待っとけ」

「…」



そういうとこ!!
ダメだよほんと!!!



「バカ」



彼は笑いながらラボカーをようやく出て行った。



「…」



あぁでもやっぱりちょっと強引な彼かっこよくて好き!
やばいもっかいキスしたくなっちゃう。









***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時

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