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𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦290 ページ41

***






さすがに制服姿で外を出歩けなかったから、
夜になるまでアマリリスちゃんの家で待機させられた。

プラン的には夜の浜辺デートとか言ってたけど、
私ご飯食べてからずっと眠たいんだよなぁ。
彼だって忙しいだろうし、それに…。



ゲ『まっ、俺的にはそこの恋人2人がスイカちゃんのパパママ役お似合いだと思うけどね〜』



死ぬほど意識しちゃうんですけど私!!
もうゲンさんのせいだよ最悪。



ア「Aちゃーんそろそろ行くわよ〜」

「あ、うん…」

ア「顔赤いね?」

「大丈夫!」

ア「はは〜ん緊張してるの〜?」

「ち、違うって!」

ア「ふふっ可愛い」

「もう!」



アマリリスちゃんはからかいながら
私を先導して浜辺まで連れて来てくれた。



ア「よし!月の明かりバッチリ!Aちゃんそこに立ってて!」

「え、ここ?」

ア「そうそう!今杠ちゃんが千空呼んでくるから1人で待っててね!」

「アマリリスちゃんは?」

ア「私はあっちで観察してるわねぇ〜!」

「エッ」



アマリリスちゃんは楽しそうにそう言うと森の方にまた走って行った。完全に置き去りの私。



「わっ…」



しかもわざわざ水辺に立たせられてるから足に海水がかかる。砂で足埋もれそうだし…。



「…」



なんでこんなことさせるんだろうって疑問に思ったけど、
でもあの2人が楽しそうにしてるから言えなかった。
それに余計な事言って警戒されたくない気持ちもある。



「冷たい」



上手い人付き合いなんて出来た試しが無いからこそ、
手探りで頑張ってみてるけどこれで良いのかな。



「…」

『…』

「!」



あれ?



『…』



ソレの気配がする。
なんで?もう出てこないんじゃ…。



『…3歩、左に避けるです』

「えっ?」

『早くするです』

「わ、分かった」



急に話しかけてきたと思ったらいきなり命令。
とりあえず私は3歩左に避けた。



「っ!」



次の瞬間、私の居た場所に向かって後ろからミシミシ音を立てながら大きな木が倒れてきた。



「…え…」

『…』







***

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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時

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