𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦254 ページ5
***
「あぅっ！」
千「スケベガキが」
またやられた。
彼の上から避けようとしたらパチッと目が開いて、ジト目で見つめられた。彼はすぐ状況を理解して上に居た私に強烈なデコピンを食らわせてきた。
「いたぁい…」
千「どんだけお盛んなんだよ」
「ち、違う！ちょっとふざけようと思っただけなの！」
千「ふぁっ…」
彼は眠そうに大きな欠伸をすると頭を搔きながら「あ"ー」っと声を出していた。
千「退け変態小娘」
「ぐ…」
そんなつもりじゃなかったのに、
でもこの状況だとそう言われてもおかしくない。
私の完敗だ。
千「はぁ」
私は彼の上から降りて横にちょこんと座った。
千「寝ろよマジで…」
「んっ」
呆れた顔をしながらも彼は私の頭を撫でてくれる。
それがちょっとだけ嬉しくて顔が緩む。
「えへへっ」
千「(あ"ークソ可愛いんだっつうのソレ)」
「！」
千「…」
ニコニコしていたら彼はゆっくりと起き上がって、
私をじっと見つめてきた。
千「クク」
「んわっ」
そしたらいきなり近くにあった布で目隠しされた。
「なになっ…」
千「…」
見えなくなった状況で、唇に柔らかいものが当たった。
どんどん噛み付かれるように深くなっていく。
「んぅ…っ」
千「…」
同時に背筋を撫でられてビクッとする。目隠しのせいで体に意識が向いてしまいやたらと敏感になってしまう。
「だめっ」
千「んならもっと嫌そうにしやがれ」
「んん…」
大好きな彼にこんな事されて恥ずかしくないわけがない。
無理ヤバい頭パンクしそう…。
「せ、千空、すとっぷ…！」
千「ククテメーから仕掛けてきたくせに」
「違うの…ちょっとドッキリ仕掛けようと思っただけで…！」
千「んなら俺がとっておきのドッキリテメーに仕掛けてやるよ」
「な、なに！？」
もしかしてこのまま美味しくいただいちゃう的なヤツ！？
どうしよう私まだ心の準備がっ！！
でも前に彼なら…彼なら良いって言っちゃったし！！
やっぱりそういう事？！キャーもう好きにしてー！！！
千「ホイ」
「…」
いきなり目隠しを取られ目の前にぶら下げられた1匹のネズミ。ただでさえウッとなったのにそのネズミが目の前で気持ち悪い動きを始めた。
「きゃぁぁあっ！！」
千「ククク…」
「やだ！やだやだ！！」
泣きそうになりながら彼にしがみついた。
本当になんて事してくれるんだこの人…。
***
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作者名：Sちゃん | 作成日時：2023年8月20日 10時
