𝑚𝑒𝑚𝑜𝑟𝑦283 ページ34
***
とは言えさすがに体力の限界だった。
主にこちょこちょと貧血気味だったせいで。
「ふぁっ」
千「やっとか」
「んー…」
あんなに暴れていたのに急に眠気が襲ってくる。
「千空〜」
千「あ?」
「私が寝ても隣に居てね…」
千「わぁったから寝ろ」
「んー」
もう一度彼にギュッと抱き着くと背中をトントン叩いてくれた。赤ちゃん扱いされてる…ちょっと良い気分。
「…」
千「もう起きんなよ。病み上がりのクセに元気すぎんだよテメーは」
「…」
きっとこんな私をここまで心配してくれるのは、
どこ行ったって彼だけだ。本当に大好き。
「好き…」
千「…」
彼の全部が大好き。
「…千空」
千「おい寝ろ」
「んーいっこだけ…」
千「んだよ」
「…千空…よしよし、して」
千「…」
私の頭の上で大きなため息をつく彼。
でもちゃんとよしよししてくれた。
私は眠過ぎてうとうとしてたけど嬉しくなって彼の目を見て笑った。
「大好き千空」
千「…はぁ」
彼はよしよししていた手を私の頬に移動させて、
グッと自分の方に引き寄せた。
「…?」
千「…」
視線を逸らすことなく待っていると彼が迫って来て、
不意に唇同士が一瞬だけ触れてドキッとする。
でも温かいし心地好くて目を閉じたらこのまま眠れそうなくらい癒されて穏やかな気持ちになる。
「…」
千「寝ろ」
「うん」
彼のお言葉に甘えて私はそのまま眠る事にした。
今日は絶対安眠できそう。
千「(あ"っぶねぇー!地味に手出すとこだったクソ!!)」
「…」
***
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作者名:Sちゃん | 作成日時:2023年8月20日 10時